2015年10月15日

『「ネジザウルス」の逆襲』高崎充弘・著 vol.4104

【累計250万丁!の大ヒット工具開発のドラマ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534053142

昨日は、鳩山玲人さん推薦の『ブロックバスター戦略』をご紹介しましたが、今日もヒット商品に関する書籍をご紹介します。

※参考:『ブロックバスター戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492533710

じつはこの『「ネジザウルス」の逆襲』、生まれ変わった新大阪駅のブックスタジオで発見した一冊で、たまたま出張がなかったら、見落としていたかもしれない書籍です。(ブックスタジオのみなさん、ありがとうございます)

タイトルにある「ネジザウルス」とは、どんなネジ頭でも掴んで外せる、累計250万丁の大ヒット工具のことで、本書には、その開発物語が書かれています。

かつてご紹介した、アキレスの「瞬足」開発物語に似たテイストの本、といえばわかりやすいでしょうか。

※参考:『開発チームは、なぜ最強ブランド「瞬足」を生み出せたのか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4426605148

著者は、発明や工具をこよなく愛す、株式会社エンジニア代表取締役社長の高崎充弘さん。

楽しそうな開発現場の雰囲気とヒット商品開発の興奮が伝わってくる文章で、読んでいてとても幸せな気持ちになれました。

著者は、「中小企業は知財戦略で飛躍する」と称して、マーケティング(Marketing)、パテント(Patent)、デザイン(Design)、プロモーション(Promotion)の「MPDP理論」を説いていますが、実際の読みどころはそこではありません。

いかにして創意工夫を凝らすか、お客様の意見と向き合うか、その真面目な姿勢が、本書の一番の読みどころだと思います。

大ヒットのきっかけを作ってくれた恩人・所ジョージさんへの感謝の気持ちを込めて作られたネーミング「ネジザウルスGT」の「GT」に込められた思いなど、読んでいて「ちょいうる」な本でした。(GTは、Grip a Truss、Gran Turismo、George Tokoroの略、ちょいうるは、ちょいとうるうる=ウルスくんへの愛情を表現した土井の造語です)

さっそく、その読みどころを見て行きましょう。

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ふつう、工具は年間1万丁も売れれば大ヒットとされますから、200万丁というのは、工具業界ではちょっと過去に例がない数字かもしれません

アメリカ人にとっては身近でも、日本ではほとんど目にする機会がない工具もある。そうした工具の1つに、ガスクッションプライヤー(Gas Line Plier)という工具がありました(中略)これは、ガス管など円形のパイプをつかむための工具です(中略)あるとき、このガスクッションプライヤーに別の用途があるのではないかと思いつきました。というのは、円形のパイプをつかんでも滑らないように、先端部分にタテ溝が刻まれていたからです

「これ、ネジ頭をつかめるんとちゃうか」(中略)ドライバーでは手に負えないネジをはずすというニーズは、確実に存在します。「工具セットから独立させてみたら、おもしろいかもしれへんな」

当初の「小ネジプライヤー」は、開閉する部分のタテ溝が平行になっていました。閉じたときには平行なタテ溝が、開くとハの字になる。ハの字に開いた状態でネジ頭をつかんでも、力が分散してしまい、保持力は強くありません。それなら、開いたときに平行になればよいのではないかと考えて、あらかじめ傾斜角をつけたのです

他の案を圧倒する存在感を感じたのが「ネジザウルス」でした。いうまでもなく、ネジ頭をつかむ先端部分をティラノサウルスの頭部に見立てたアイデアです

普及率1%以下で「飽和」といえるのか

どうしたら、頭の出っ張りが低いトラスネジにも噛みつくことができるのか──。実は、私も従業員も、それまでトラスネジに注目したことはありませんでした。それだけに、トラスネジをナベネジのようにはずすことが技術的に可能であるのかどうか、すぐには見通しが立たなかったのです。しかも、そうしたご提案が記されたご愛用者カードは、1000通中、たったの7通でした。そんな少数意見もくみ取るべきなのか、どうか

「声なき声」をすくい上げる

多くのお客様が望んでいる時点で、それはすでにニーズではない

6種類の使い方をご提案する動画を作成することにしました。使い方とは、前切り、後ろ切り、添え手切り、諸手切り、硬線切り、峰切りの6つ(中略)いずれも、実在する居合道の技の名前を少しアレンジした名称です(鉄腕ハサミGTのマーケティング)

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同じヒット商品開発の仕事に携わりながら、最近、こんな新鮮な気持ちを忘れていた気がします。

「初心忘るべからず」

仕事本来の楽しさを思い出すために、ぜひ読んでおきたい一冊です。(思いっ切りモチベートされますよ)

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『「ネジザウルス」の逆襲』高崎充弘・著 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534053142

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◆目次◆

第1章 一家に一本、ネジザウルス
第2章 ヒット商品はMPDP理論から生まれる
第3章 私がレンスラー博士です
第4章 中小企業は知財戦略で飛躍する
第5章 発明ほどおもしろい仕事はない

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