2015年8月23日

『考える訓練』伊藤真・著 vol.4051

【司法試験のカリスマ・伊藤真が教える、考える技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/476313437X

画期的な新商品やビジネスモデル、戦略、徹底した差異化、参入障壁の構築…。

ビジネスでやらなければならないことは山ほどありますが、それらのベースになるのが、「考える力」です。

「考える力」を持っている人は、他社から学び、他業界から学び、やがて自らの目的を達成するために美しい生態系を構築する。

そういう意味で、宅急便の小倉昌男さんのケースや、俺のイタリアン、俺のフレンチ、サイゼリアのケースは学びになると思います。

【参考にしたい3点セット】

『小倉昌男 経営学』
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『俺のイタリアン、俺のフレンチ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4785504544

『おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』
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本日ご紹介する一冊は、この「考える力」を徹底的に養ってくれる、とっておきの一冊。

過去、多くの司法試験合格者を出し、司法試験のカリスマと称される、伊藤真さんによる『考える訓練』です。

ゆるい装丁とは裏腹に、中身は司法試験や議論の場でも通用する、れっきとした論理思考養成本で、考える習慣をつけるために、日々どんなことに気を付ければいいか、どう考えれば思考が深まるか、具体例を示しながら教えてくれます。

論理的なコミュニケーションのヒントについてもまとめてあるので、人に伝える仕事の方には、特におすすめの内容です。

さっそく、内容のエッセンスを見て行きましょう。

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法律家の「考える」は何かというと、「未知の問題」に対して「答えをつくり出す」ことである。法律の世界では、唯一の正解などないのだ。自分で答えをつくり出して、その答えを「事実」と「論理」と「言葉」で説得するのが法律家の技術である

他人が考えた答えを探すのは「考える」ではない。それはたんなる調査、リサーチである

世の中にはひとつの考えだけでなく、別の考えや立場や見方がある。だから、それぞれ立場が違うものを二種類以上見て、自分であれこれ比べながら判断するのだ

世の中にあるものは、すべてそれひとつでは存在していない。物事も出来事も制度も人間も、必ず何かの関係性の中に存在している。関係性に注目するのも、考えられるようになるひとつの訓練である

「考える」とは、「相互の関係性の種類を見つけ出すこと」だといっても言い過ぎではないと思う。関係性には、「大・小」や「含む・含まれない」「正・反・合」「原因・結果」などさまざまな種類がある

「比べる」とは、「共通点」と「相違点」を見つけ出すことだ

「あれっ?」と思うほどの極端な意見にふれることが「考える訓練」の入り口になる

「理由を三つ考える習慣」を身につけると、説得の成功率はあがっていく

相手と共有できる「物差し」を見つける

◆IRAC(アイラック)
「I」……Issue(問題点、課題)
「R」……Rule(規則)
「A」……Application(あてはめること)
「C」……Conclusion(結論)

何が問題なのかを明示し、その問題を解決するための「ルール」は何かを示し、今回の事件はどういう事実なのかその事実をルールに「あてはめて」、「結論」を導き出す

物理的に高いところに昇ってみるのも、「考える訓練」になる

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考える訓練になるのはもちろんですが、生き方や仕事の進め方のヒントになる部分も多くありました。

コンパクトな本でありながら、考えるためのエッセンスがギュッと詰まった本ですので、忙しい人にはとくにおすすめです。

ぜひ読んでみてください。

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『考える訓練』伊藤真・著 サンマーク出版
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◆目次◆

1 「考える訓練」の最初の一歩
2 「日常生活」の中で鍛える訓練
3 「論理的」に考える訓練
4 「論理的」に伝える訓練
5 考える「精度」をあげる訓練
6 考え続けること、考えるのをやめること
7 「想像力」を広げる訓練

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