2015年7月8日

『戦場の名言集 いま胸を打つ遺言』早坂隆・著 vol.4005

【よく生きるための90の名言】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121505301

毎年、終戦記念日が近づくと、戦争モノが多く出版されるのですが、そのなかには、人生を考えさせてくれる本がいくつかあります。

やはり、死を考えることは、よく生きることにつながっているのです。

本日ご紹介するのは、太平洋戦争でなくなった、あるいは奇跡的に生きのびた日本人の名言を、ノンフィクション作家の早坂隆さんがまとめた一冊。

早坂隆さんは、かつてベストセラーとなった『世界の日本人ジョーク集』の著者であり、そのセンスは折り紙つき。

※参考:『世界の日本人ジョーク集』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121502027

今回は、心をふるい立たせる指揮官の言葉、涙をさそう特攻隊員の手紙などから、90の名言をピックアップ。

名言と、その名言を遺した人物の紹介、さらにはその人物の最期までが書かれており、ぐっと胸が詰まる思いがします。

故人が遺した言葉を無駄にせず、生きるのが現在に生きるわれわれの使命。人生のヒントとなる名言を、ぜひ読んでいただきたいと思います。

さっそく、内容をチェックしてみましょう。

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人生の楽しみは、苦難を克服して後に生まれるものなり。苦なくして快楽を求めんとするは愚なり ───佐野 元

大体分るだろう。
この世は「思うがままにゆかないのが本当の姿なのだ」ということが ───重信隆丸

戦いは相手次第。
生き様は自分次第 ───小野田寛郎

帰ればまた来られる。帰ろう ───木村昌福

弱者が強者の庇護を当然かの如く考えているのは、結局卑屈であるに過ぎない ───大井栄光

口先だけでは何にもならぬ、実際に行うのが本当の勇気です───永野修身

自分が偉くなってはならぬ。
人を偉くせよ ───今田義基

桜の花が世の人に愛せられ敬われるのは、
惜しまれて散るからです ───本仮屋孝夫

人間も世の人に惜しまれて散る所に良い所があるのです。人間、死場所を逸したら、ろくな最後はとげられません ───本仮屋孝夫

極端に言えば誰一人として個人主義的傾向のない者はいないと自分は思う。国家を思い全体を考える人間、それは必ずや国家と自己との調和点を見出さんとしている人間だ。全体と個との融合点を見極めんとしている人間だ ───松岡欣平

すべてが自分の足場であると考えることはいけません。日本という足場において生きている、生き甲斐を感ずる、生かされていることを考えねばならぬのです ───池尾俊夫

決して力だけの人になってはいけません。
力だけで人生を送るのは不幸の因、滅亡の元です。
必ず徳というものを中心として進んで下さい ───棚橋順一

小なる自我を去れば我は大我である。
総べてと一体である ───岡田資

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多くの尊い命を犠牲にした戦争を肯定する気はありませんが、死を目前にした先人が考えたことには、一読の価値があります。

人は自分一人で生きているわけではない。つながりを意識することで強くなれる。

ぜひチェックしていただきたい一冊です。

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『戦場の名言集 いま胸を打つ遺言』早坂隆・著 中央公論新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121505301

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◆目次◆

第一章 現代への教訓(1)よりよく生きるために
第二章 現代への教訓(2)人を活かす術
第三章 死とは何か
第四章 国家とは、平和とは
第五章 頬笑みの精神 笑顔・諧謔・風刺
第六章 家族や恋人への言葉
第七章 敗戦後の言葉 戦い未だ終わらず

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