2015年6月22日

『プレゼンは「目線」で決まる』西脇資哲・著 vol.3989

【いちおしのプレゼンノウハウ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478065160

先日、NY洛友会(京大OBの会)にゲストとしてお邪魔し、メンバーのみなさんにご挨拶をさせていただきました。

全員、その場で自己紹介をしたのですが、上手だったのが、とあるプロフェッショナルファームのEさん。名簿的には最初に自己紹介するはずだったIさんの話に触れ、こうおっしゃいました。

「本当はIさんの後で自己紹介するはずだったので、その話をしますと、Iさんの事務所は業界トップクラスで、うちの事務所はその事務所をスピンアウトして起業した人間の集まりです。だから、Iさんのところには一生頭が上がらないんです!」

結局、きちんと笑いを取り、場を和ませていたのですが、じつはこの手法、「引用」といってプロのプレゼンターが使うテクニック。

本日ご紹介する一冊は、こうしたビジネスパーソンが使うと便利なプレゼンテクニックを、体系的かつマニアックに紹介した一冊。

著者の西脇資哲さんは、日本マイクロソフトの業務執行役員/エバンジェリストで、これまで数々のビジネスプレゼンを成功に導き、現在は全国から講演・セミナー依頼が殺到する人気講師です。

三井住友海上、日立製作所、NHK放送研修センター、JT、富士通、サイボウズ、クレハ、日本ユニシスなど、大手を中心に年間なんと250日。

期待して読んだのですが、期待を裏切らない読み応えと具体的ノウハウ(パワーポイントの操作法にも触れています)に、すっかり魅了されてしまいました。

さっそく、その内容を見て行きましょう。

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相手を動かすという成果にフォーカスした場合、プレゼンを決定づけるのは「どう伝えるか」ではなく「何を伝えるか」です

最大のよそ見ファクター「手元資料」は、配布しない

「こちらのスライドの2行目を見てください」と言ったときに、100人の聞き手全員の目線が迷わずに“同じところ”に行くデザインになっているか

スライドタイトルには「相手が起こす行動」を入れる 例)「ダイヤモンドシステムで業務フローを改善する」

「色使いは気遣い」──。ビジネスでプレゼンをする際には、相手企業のコーポレートカラーなどにも気を配るべきです

とくに経営者にプレゼンする際には、私は絶対に「右肩下がりの矢印」を入れないようにしています

なるべく“上半分”にキーワードを集中させる

スライドショーを表示している際に、キーボードの「B」キーを押すと、何が起きるかご存じでしょうか? 実は、これを押すと画面が真っ暗になります。「B」は「ブラックアウト」のBというわけです

シナリオの冒頭の段階でもう1つ気をつけていただきたいのが、相手が理解しやすい話題からスタートするということです。「どんな話題なら相手が理解しやすいのか」がわからない場合には、「大きな話題から始めて、小さな話題に移っていく」という順序をとります

「動詞」を中心に「相手の体験」を表す言葉に置き換えてみてください。相手のリアクションが大きく変わってくるはずです

たとえばプレゼン資料に「2020年7月24日」と書かれていたとします。この絶対時間に言及するときには、こんなふうに相対時間をつけ加えていきます。「東京オリンピックの開会式は2020年7月24日、つまり今日からちょうど5年後に行われます」

接続詞を口にするごとに視線の向きや身体の向きを変えてみましょう

会場を縦横に4分割し、それぞれに順次、視線を向けていくのです。順番としては「(1)後方左→(2)前方右→(3)前方左→(4)後方右」

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本書の何が素晴らしいかというと、タイトルにもあるように、聴衆の目線をマネジメントするという、プレゼンでもっとも大事な部分に触れていること。

目線誘導と説得の技法がミックスで紹介されており、まさにプレゼンテーター、セミナー講師必読の一冊。

これはぜひ、買って読んでみてください。

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『プレゼンは「目線」で決まる』西脇資哲・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478065160

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◆目次◆

第一章 働きたくない
第二章 家族を作らない
第三章 お金に縛られない
第四章 居場所の作り方
本書のまとめ
あとがき
ゆるく生きるためのブックガイド

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