2015年6月9日

『人は、誰もが「多重人格」』田坂広志・著 vol.3976

【複数の人格をマネジメントし、才能を発揮する。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334038565

年齢を重ねると、人は可能性を限定してしまいがちになりますが、実際には、本人も気づかなかった意外な才能を持っています。

その才能を解き放つカギが、じつは「隠れた人格」なのですが、その点に触れた異色の新書が出ていたので、ご紹介します。

著者はご存じ、シンクタンク・ソフィアバンク代表の田坂広志氏。

『人は、誰もが「多重人格」』という刺激的な主張を展開し、複数の人格をコントロールすることで才能が開花できると説いています。

<自分の中に眠る「幾つもの才能」を開花させたいと思うならば、自分が意識していなかった「幾つもの人格」に気がつき、その「多重人格のマネジメント」を行うことが不可欠です>

<「仕事のできる人」とは、「場面や状況に応じて、色々な人格を切り替えて対処できる人」>

著者の講演を何度か聞いたことがありますが、確かに話の内容によって、複数の人格を引き出し、観客の心を惹きつけていました。

本書では、才能発掘の手段であり、また話術の根幹であり、マネジメントの要諦でもある「人格の切り替え」の方法を指南。

ビジネスパーソンのキャリアのヒントにもなる内容が書かれているので、さっそく内容をチェックしてみましょう。

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「話術」の要諦は、「人格の切り替え」

一流のアスリートは、勝負や記録の前でプレッシャーを感じる自分と、そのプレッシャーを楽しむ自分が、バランスよく存在しているのです。逆に、そのどちらかの人格だけでは、本当の力を発揮できないのです。前者だけでは、プレッシャーに潰れてしまうし、後者だけでは、プレッシャーを「追い風」にできないからです

日本語で「器の大きな人物」という言葉がありますが、この言葉の本当の意味は、「自分の中に、幾つの自分、幾つの人格を持つことができるか」という意味での「器」

「才能」のほとんどが、「人格」や「性格」と密接に結びついている

「ペルソナ」が「硬い」ことが問題になります。特に、一つの立場や状況において被っている「ペルソナ」が「硬すぎる」と、色々な問題を生み出します

「深層意識の世界」に、恐怖心や不安感などの「否定的な想念」や「マイナスの想念」があるだけで、我々の能力は、無残なほどに「萎縮」してしまう

我々が無意識に使う「言葉」が、意図せずして、世界を「プラスの世界」と「マイナスの世界」の二つに分けてしまう

「怒りやすい人格」はそのままに、新たに、自分の中に「寛容な人格」を「育てる」ことです。もし、すでに、その「寛容な人格」が萌芽として自分の中に存在しているならば、それを大きく育てることです

「苦手な仕事」、すなわち「自分の性格に向いていない仕事」に取り組むことは、必然的に、自分の中の「隠れた人格」を開花させることになる

自分を愛せない人間は、他者を愛せない

「経営者として大成する人間は、悪いことができて、悪いことをしない人間だ」

「大我」は、「無我」に似たり

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人前で話す人や、人の上に立つ人にとっては、とくに重要なスキル。

「器の大きな人」になりたい方、自分の隠れた才能を発見したい方にも、要チェックの一冊です。

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『人は、誰もが「多重人格」』田坂広志・著 光文社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833421313

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◆目次◆

第一話 人は、誰もが「多重人格」
第二話 「表の人格」が妨げる才能の開花
第三話 「隠れた人格と才能」を開花させる技法
第四話 「豊かな人間像と人間性」を開花させる技法

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