2015年5月5日

『ジョコビッチの生まれ変わる食事』ノバク・ジョコビッチ・著 vol.3941

【傑作。超一流を目指す方、必読の一冊です。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776208652


先日、ふらっと立ち寄った啓文堂書店で、たまたま目にした一冊。

そう、錦織選手と対戦したことで一気に国内でも有名になった世界No.1のテニスプレイヤー、ジョコビッチの「食事」の本です。

とても気になったのですが、そうはいっても「食事」の本。どうあがいてもBBMでは紹介できないと思っていたのですが、やっぱり気になって購入。

というのは、今年1月にランチをご一緒した『バカでも年収1000万円』の伊藤さんから、こんな話を聞いていたからです。

「NYではジョコビッチの影響で、グルテンフリーが大流行している」

※参考:『バカでも年収1000万円』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478013896

「グルテンフリー」というのは、グルテン(小麦製品に含まれているタンパク質)がない食事、という意味。

確かに、この話を聞いてから渡米したところ、いたるところで「グルテンフリー」を謳うレストランを目にしました。

なぜこんなに「グルテンフリー」が流行ったのかというと、ジョコビッチが、この「グルテンフリー」にした途端、調子が上がり、世界一を手にしたから。

結果を出したいニューヨーカーが惹かれるのも、わかる気がします。

2010年の全豪オープンでは、ツォンガ戦において腹痛を起こし、敗北したジョコビッチが、翌年2011年には全豪・ウィンブルドン・全米オープンで優勝し、世界ランキング1位に。

以後、ジョコビッチは2012年、2014年と世界1位を維持し、絶対的王者に君臨しているのですが、本書には、その秘密が書かれています。

もちろん、単なる食事の本ならBBMでご紹介したりはしません。

じつは本書、食事のことも書かれていますが、本質は、超一流になるための規律、姿勢、考え方を提供してくれる一冊なのです。

空爆が続くセルビアのリビングルームで、ピート・サンプラスがウィンブルドンで優勝する姿を見、人生の目標を決めた6歳の少年が、いかにして幸運を手にし、努力を重ねてプロになったか。

そして、多くのプロフェッショナルが経験する超一流への壁を、どうやって乗り越えたか。

本書には、その軌跡が書かれています。

一応、本書から気になった部分を抜き出しておきますが、こんなの見ずに、さっさと買って読むことをおすすめします。

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ほとんどの人は、人生で何をしたいのかを6歳で決めることはないだろう。でも、私は決めていた。13年前、セルビアの山岳地帯にあるコパオニクという街で両親がやっていたピザ屋の小さなリビングルームで、私はピート・サンプラスがウィンブルドンで優勝する姿を見て、心に誓ったのだ。「いつの日か、あそこで優勝するのはボクなんだ」と。それまで、テニスなど一度もしたことはなかった。知人の中にもテニス経験者はいなかった

私にとって、プロ生活で最低の瞬間が、2010年1月27日のあのダブルフォルトだった。しかし、2011年7月までに──あれからわずか18カ月後である──私はまったくの別人になっていた。(中略)そして生涯の目標だった2つのゴールに到達した。ウィンブルドン優勝と、世界ランキング1位だ。最後に、ラファエル・ナダルのギリギリのバックハンドの行く末を確かめて、ウィンブルドンカップに手が届いたとき、私はまだ何もなくて不可能な夢を見ていた6歳の目でそのシーンを見ていた。私はグラウンドに倒れ込み、思いきり腕を天に突き上げた。そしてかがみこんだ私はウィンブルドンの芝を少し引き抜き、食べた。そこには汗の味がしみ込んでいた。私の汗だ。それまで味わったことがない甘い味が口に広がった

オープンマインドで、新しい手段を求めることをやめてはならない

2012年1月、全豪オープンの決勝で私はナダルを撃破した。試合は5時間53分にわたった。全豪オープン史上でも最長記録であり、グランドスラムにおけるシングルス決勝の中でも最長である。多くのコメンテーターたちがこの試合をテニス史上最高の名勝負と呼んでくれた。(中略)ミルヤンがチョコレートバーを持ってきてくれた。私は一かけらだけ叩き割り──本当に小さな一かけらだった──、口の中に放り込み、舌の上で溶けるに任せた。それだけが、私の贅沢だった。それは、世界1位にたどり着くために必要な代償だった

「今後、君の体の機能を上げたいのであれば、パンを食べるのはやめなさい」。セトジェヴィッチ博士が言い渡した。「チーズもダメだね。トマトも減らすことだ」。「先生、待ってくださいよ」。私は抵抗した。「うちの両親はピザ屋なんですよ!」

まだ体が若くて強靭な頃なら、病気になったり疲れを覚えたりすることもたいしてなく、悪い食べ物やストレスにも対抗できたかもしれない。だが年齢を重ねるにつれ、これまでの食べ方や生き方にしがみついていると、さまざまな問題に直面することとなる。だから、食べ方を変える必要があるのだ

自分を制御できる力の大きさが、あなたの人生の質を決める

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大きな夢を持つこと、偶然「その場所にいる」こと、良い師に出会うこと、オープンマインドで新しい手段を求め続けること、結果を出すために代償を払うこと…。

われわれが本書から学べることは、じつに多いと思います。

ぜひ読んでみてください。

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『ジョコビッチの生まれ変わる食事』ノバク・ジョコビッチ・著 三五館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883206335

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◆目次◆

序 章 私を生まれ変わらせた食事
第1章 バックハンドと防空壕
第2章 夢を叶えた、私の食べ方
第3章 オープンマインドになるだけで体は変わる
第4章 あなたの動きと思考を邪魔するもの
第5章 食事に関する、私のルール
第6章 圧倒的成果を出す、思考のトレーニング
第7章 誰でもできる簡単なフィットネスプラン

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