2015年5月1日

『子どもが「読書」に夢中になる魔法の授業』ドナリン・ミラー・著 vol.3937

【GW、親子で読みたい読書の本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761270721


この仕事をしていると、「子どもを読書好きにする方法は何ですか?」とよく質問を受けます。

土井の答えは、以下の通り。

・どこに行っても本を目にする環境を家庭内につくる
・本以外のものを、なるべく排除する
・親が本を愛していて、本を楽しんでいる姿を見せる、効用を説く

そして、よく指摘するのは、日本のリビングが「テレビを見るように設定されている」こと。

疲れて休もうと思った時、ソファに座れば、自然にテレビが目に入る。

そんな環境で「本を読め」って言ったって、それは無理な話ですよね。

理想的なのは、リビングのソファに座った時、トイレの便座に腰掛けた時、寝る前、ふとんに入った時…。いつでも本が側にあること。

そして何より大事なのは、親が自ら、本を読む姿勢を見せることです。

本日ご紹介する一冊は、クラスの生徒全員を本好きにし、85%の生徒が州の統一テストで90点以上を実現した「魔法の授業」を、初公開した一冊。

子どもにおすすめの洋書・翻訳書に加え、解説を担当している「花まる学習会」代表の高濱正伸さんが厳選した141冊のおすすめ本も紹介されており、じつにバリューの高い一冊です。

子どもを読書好きにしたいと思う賢明な親、自分自身が読書好きになろうと思う努力家の方、そして若い頃、読み逃した良書がないかどうか不安な方に、ぜひおすすめしたい内容です。

人をやる気にさせ、望ましい行動に導くための著者の方法論も紹介されているので、教育者にとっても参考になるでしょう。

内容をかいつまんで見て行きます。

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◆教室を読書のワークショップに変えるポイント
時間 文章に集中するには、まとまった時間が必要
自分で選ばせる 課題図書を押しつけるのではなく、自分で選ぶことが大切
感想を発信する 本を読んだら、話し合いや文章を通じて感想を発信
仲間とつながる クラスメイトは読書仲間。助け合いを通じて理解を深めましょう
しくみ化する スムーズに学習を進められるよう、手順をしくみ化

能力に見合った本を紹介してあげれば、無理なく読書がはじめられます。そしてもうひとつ、失敗体験ではなく、成功体験を与えてあげることです

◆読書教育の専門家(ブライアン・カンバーン)がすすめる7つのポイント
1.豊富な出会い
2.実用的な説明
3.適切な期待値
4.主体的な選択
5.実践練習
6.失敗できる自由
7.フィードバック

つまらない本は途中で投げだしてもかまわない

苦闘している子がいたら、5冊や10冊という小さな目標を設定し、そこに到達するごとにほめてあげましょう

子どもたちの興味を頭ごなしに否定しない

本を読まないよりは、軽い本でも読んだほうがいい

クラス全員で同じ本を読んでも、読書の能力は身につきません

文章を細切れにすると、子どもたちは内容に入り込めず、読み進めるのに苦労します。理解を深めるどころか、逆にさまたげてしまう

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確かに、日本の教育現場でも行われているおかしな常識、家庭で行われている間違った教育が挙げられていて、これでは読書好きにならないなと感じました。

教師・親にはぜひ読んでいただき、議論のきっかけにしていただきたい一冊です。

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『子どもが「読書」に夢中になる魔法の授業』ドナリン・ミラー・著 かんき出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761270721

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◆目次◆

第1章 魔法の授業が生まれたところ
第2章 誰でも読書好きになる素質がある
第3章 みんなが本を読みたくなる場をつくる
第4章 大好きな本に出会う力をつける
第5章 大人が読書のロールモデルになろう
第6章 学校教育のおかしな常識を捨てよう
第7章 いつまでも本が好きでいるために
日本語版付録
小学生のうちに読んでおきたい花まる学習会のおすすめ読書リスト141冊

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