2015年1月17日

『佐藤可士和の打ち合わせ』佐藤可士和・著 vol.3833

【生産性を高める打ち合わせノウハウとは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478027145

本日の一冊は、アートディレクター/クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が、打ち合わせの重要性とノウハウを語った一冊。

著者は、国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループ、セブン‐イレブン・ジャパン、今治タオルのブランドクリエイティブディレクションなどを手掛ける人物。

本書では、クリエイティブな仕事の出発点である「打ち合わせ」を題材に、どうすれば良い仕事ができるか、氏の考え方をまとめています。

いわく、<打ち合わせの質を高めれば高めるほど、アウトプットの質も上がっていき、結果的に仕事の質は高まります>。

それだけに重要な「打ち合わせ」ですが、そこにはいくつか作法があります。

本書の中から、気になった部分をピックアップしてみましょう。

<打ち合わせは、ただ「聞く場」ではないのです。「考える場」であり、「しゃべる場」です>

やたらとメモばかり取るのではなく、きちんと考えて発言すること。日本人には耳の痛い話です。

また、クライアントとの最初の打ち合わせについては、以下の部分がなるほどと思いました。

<相手先の会社としては、できるだけ経営者をフォローできる環境を作っておきたいのでしょう。しかし、録音してもらってもいいので一対一でお願いしたい、と依頼します。それは、「本音を聞きたいから」です>

トップを引っ張り出してホンネを聞く。本当にやりたいことを確認する。

対法人だと、これは重要なことかもしれません。

著者のモノの見方や、クリエイティブにつながる心構えが学べ、勉強にはなりましたが、若干ベーシックな内容が多かったように感じます。

20代の方におすすめの一冊かもしれません。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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相手先の会社としては、できるだけ経営者をフォローできる環境を作っておきたいのでしょう。しかし、録音してもらってもいいので一対一でお願いしたい、と依頼します。それは、「本音を聞きたいから」です

質の低い情報、つまり、タテマエで物事が進みがちなのが、ビジネスの世界の怖いところです。タテマエやキレイゴトが前提では、いいアウトプットなどできません。そもそもタテマエで動くお客さん、消費者はいない。だからこそ、打ち合わせで強く意識しなければいけないのは、どれだけ「ぶっちゃけ」られるか

否定をするのであれば、代案を出す

自分たちの利益は何か。打ち合わせ相手の利益は何か。やりたいことはどんなことで、やりたくないことはどんなことか。プロジェクトをめぐって、どんな力関係が発生するのか。社内においてプロジェクトはどんな位置づけか。応援者はどのくらいいて、反対者はどのくらいいるのか。それはどういう人たちなのか

その場でおおよその打ち合わせ回数も決めてしまいます

クライアントからの要望は、多くのケースで「ユーザーの意識を変える」こと。そのためには、ユーザー視点は極めて重要です。よって、ユーザーの感覚を持ってクライアントに触れ、その印象をしっかり記憶しておくことが、重要になる

情報を集めれば集めるほどお客さんからは遠ざかる

課題の答えというのは、クライアントの中にあることが少なくない

大事にすべきなのが、最後の5分です。この時間を、その日の打ち合わせについての確認の時間に充てる

少し不安があるようなら、「この先、やるべき作業は見えていますか?」と僕はかならず尋ねます
優秀な人であればあるほど、わからないときには、ちゃんとわからないと言ってもらえる

「こんな仕事をしてくれ」と、ただ言うのではなく、「世界に出て行くような仕事をしよう」「日本中をびっくりさせよう」といった言葉を使います

一気に極論に振って、話を展開させてみる。これは、いろいろな意見を引っ張り出す、ひとつの方法です

結局のところ、世の中の景気にしても、「モノが売れる/売れない」ということも、人々が感じていることの集積

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『佐藤可士和の打ち合わせ』佐藤可士和・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478027145

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◆目次◆

はじめに なぜ、僕は「打ち合わせ」の本を書いたのか?
RULE1 打ち合わせの心構え 打ち合わせは「本音の真剣勝負」で臨め
RULE2 打ち合わせの設計
    プロジェクトの「構造計算」をして必要な打ち合わせを洗い出せ
RULE3 イメージの重要性
    「イメージの徹底」が打ち合わせの準備である
RULE4 打ち合わせの時間管理
    「ラスト5分」と「終了後5分」が打ち合わせの黄金の時間
RULE5 打ち合わせにおける気遣い
    出すお茶にまでこだわれば、仕事はきっとうまくいく
RULE6 ファシリテーター 打ち合わせは「ファシリテーターの腕」で決まる
RULE7 ブレインストーミング
    すべての打ち合わせを「ブレインストーミング」にせよ
RULE8 会食とランチミーティング
    会食は「未来を語らう場」として活用せよ
RULE9 社内コミュニケーション 社内の打ち合わせはなるべくやらない
おわりに 打ち合わせを変えれば、仕事が変わり、会社が変わり、人生が変わる

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