2014年12月11日

『プロ経営者 新浪剛史』吉岡秀子・著 vol.3796

【担当記者が見た、プロ経営者・新浪剛史】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023313467

本日の一冊は、瀕死のローソンを11年連続増益に導き、長らく同族経営だったサントリーに社長として就任したプロ経営者、新浪剛史氏の経営哲学を、AERAの新浪担当記者がまとめた一冊。

もともと『砂漠で梨をつくる ローソン改革2940日』というタイトルで出されていたものに大幅加筆し、ローソン社長交代、サントリー社長就任までのエピソードを含め、単行本化しています。

ジャーナリストが書いているため、経営の根幹に迫った話はできていませんが、新浪氏の人となり、これまでのエピソードについてはよくまとめられています。

また、著者がコンビニ業界専門のジャーナリストであるため、コンビニが生まれてから今に至るまでの変遷がよくカバーされています。

コンビニ業界がよくコラボするキティちゃん、ミッキーマウス、ミッフィーが集客力抜群のトリオだという話は、参考になりました。

本書では、新浪氏が理想とするマネジメント、再生の考え方、後継者選びのポイントなどがまとめられており、経営者にとっては良いヒントとなりそうです。

ちなみに、気になる玉塚氏起用の理由は、以下の点だったようです。

<なぜ玉塚だったのか。その質問への新浪の答えはこうだ。「新しいリーダーにふさわしい人は?と考えたとき三つのポイントがあると思った。ひとつは企業理念を共有できる人、ふたつ目は実績を上げている人、最後にコンビニは義理人情の世界なので、加盟店のみなさんから信頼を得られる人。これらをトータルに考えて、玉塚がふさわしいと思った」>

メニューを増やしすぎることの弊害や、降格人事実行のポイント、下から情報が上がってくるようになるためのヒントなど、気づきがたくさんありました。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「何かあったとき、どうしましょうか?と聞いてくるのではなく、こういうことがありましたので、こうしたいと思いますが、どうでしょうか。そういうふうに、自分の考えをしっかり持っている社員
でなくちゃだめなんだ」

「いまの時代、下から何か言ってくるのを待っているのでは、遅い。上がピエロ役を買って出て、職場の雰囲気を良くする努力をしなくちゃ。会社が暗いと、数字も上がらない。社長=殿様、の時代じゃないんですよ」

社長はかわいい人がなる

教育への考え方には、ポイントがある。
(1)考える社員を作ること
(2)立ち止まって考える力を養うこと
(3)現場で考える力を持つこと

「悪いことが上に上がってこない企業はダメになる」

「ケンタッキーの味はここでしか作れないものなのに、競合を意識しすぎるあまり、メニューを増やしすぎた。従業員の調理が複雑化し、しっかりとチキンを揚げる手間がとれなくなってしまっていた。それで、味が微妙に落ちていたのです」

「日本企業は、情け深いところがあるから降格人事を嫌う傾向がありますが、僕は、ズバッとやる。そこから這い上がってくるかどうか、本人の頑張りに期待しているから」(中略)新浪をよく知る社員は「新浪さんの人事は、再チャレンジ権つきだから」と、説明した

「景気が悪いときは、何でもコストカットに走りたがるが、社員のやる気はカットしちゃいけない。ひとりひとりのやる気が、会社のパワーの源だ」

新浪に「客が減ってきた店を立ち直らせるにはどうしたらいいか?」と、質問したことがある。「新規顧客の獲得にやっきになるよりも、いま、来てくださるお客様を離さないことが重要です」

「本業が社会に必要とされてこそ、“真のCSR”だ」

なぜ玉塚だったのか。その質問への新浪の答えはこうだ。「新しいリーダーにふさわしい人は?と考えたとき三つのポイントがあると思った。ひとつは企業理念を共有できる人、ふたつ目は実績を上げている人、最後にコンビニは義理人情の世界なので、加盟店のみなさんから信頼を得られる人。これらをトータルに考えて、玉塚がふさわしいと思った」

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『プロ経営者 新浪剛史』吉岡秀子・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023313467

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◆目次◆

第1章 砂漠にやってきた
第2章 イノベーション、芽吹く
第3章 業界の「新常識」を育てる
第4章 震災で何かが変わった
第5章 脱コンビニ「異なる」を武器に
第6章 日本を元気にしたい
第7章 新たなチャレンジへ

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