2014年7月22日

『鎌倉シャツ魂のものづくり』丸木伊参・著 vol.3654

【絶好調。鎌倉シャツ経営の秘密】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319404

本日の一冊は、「原価率59%」「消化率99%」「現金支払い」「全量買取」「値下げなし」など、アパレル業界の常識を覆し、成長を続ける「鎌倉シャツ」の経営の秘密に迫った一冊。

本書によれば、同社の店舗数は22店、年商は34億円、ネット販売も含めると40億円弱。

販売数量は年間70万枚で、既に市場の6割近くのシェアを占めているといいます。

既にニューヨーク店も軌道にのせ、いよいよ世界進出という同社がなぜ売上を伸ばし続けているのか、本書ではその秘密がまとめられています。

良い素材を使い、最高の職人に良い仕事をしてもらい、それを廉価で売る仕組みを構築する。

著者が指摘しているように、これはブレイク中の「俺のイタリアン」と共通する商売のやり方です。

◆「俺のイタリアン」との共通点
・良品廉価
・高い原価率
・高い客回転率
・高いリピート率
・高い志

商品に嘘がないことや、浮利を追わない姿勢が経営を強固にする。

とても良い勉強をさせていただきました。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「取引交渉で大切なのは、相手の考えや事情をよく聞くことです。それをせず、すぐ電卓を取り出し、セカセカと叩いたのでは、よい関係は築けない。そんな使い方をするなら持っていくな、と言っています」(貞末)

鎌倉シャツの原価率は59%と、飛び抜けて高い(中略)この原価率でも経営可能なのは、高い商品回転率にある。回転率はメンズが〇・八回転、レディスが一・二回転と高く、消化率は何と九九%という高さ。ほぼ全品を売り切ってしまう計算になる。しかもバーゲンセールは一切なしである

「供給側の勇気とは、注文や問い合わせがあるからといって、品揃えをヨコに広げないことです。マーチャンダイジングの基本は絞る、勇気を持って絞ること。それが量につながり、安く提供できる仕組みをつくる」(貞末)

「まず商品に嘘がないです。だから皆、自信を持って売っていると思います。いや、その前に会社に嘘がないです」(新宿三丁目イーストビル店 河西綾香)

鎌倉シャツには、四名のスーパーバイザー(SV)がいる。いずれも店長兼任で特定の地域や店舗を受け持たない

昨日一〇〇〇円で売っていたものを今日は五〇〇円。これでは昨日のお客さまに説明がつきません

「浮利を追わず、世のため、人のためにつくす。そこから、いくばくかの生活の糧を得られればいい」(貞末が父から教わったこと)

「シャツはサイズビジネス。だから品揃えの最優先はサイズ展開。合うサイズがなければ、どんなに上質な素材やデザインでも買ってもらえない」(貞末)

鎌倉シャツの陳列は、サイズ別陳列が徹底されていて、見やすく買いやすい

◆「俺のイタリアン」との共通点
・良品廉価 ・高い原価率 ・高い客回転率
・高いリピート率 ・高い志

◆シャツに決めた理由
・流行にあまり左右されない
・季節性もそれほどない
・市場で売られているシャツの価格が高い
・シャツで服装術向上に貢献したい
・重衣料に比べ少ない資金ですむ

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『鎌倉シャツ魂のものづくり』丸木伊参・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319404

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◆目次◆

I なぜ、このシャツを四九〇〇円で作れるのか
II 一〇〇%リスクを取る
III 会社と社員に嘘はない
IV 「言いたいことを言う」自由な風土
V  ビジネスモデルを支える「高い志」
VI 究極のSPAはいかに生まれたか

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