2014年6月21日

『叱られる力 聞く力2』阿川佐和子・著 vol.3623

【ベストセラー『聞く力』に続編登場】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166609602

本日の一冊は、2012年唯一のミリオンセラーにして、現在150万部のベストセラー、『聞く力』の待望の続編です。

※参考:『聞く力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/416660841X

『聞く力』は、キャスター、作家として、また名インタビュアーとして知られる阿川佐和子さんが、その聞き方のエッセンスを紹介した本ですが、今回は、「叱られる力」をテーマに、処世術を語っています。

ご自身がテレビの仕事を始めたばかりの頃、番組のボスが怖くて避けていた話や、父・阿川弘之に叱られた話、ある女性編集長が教えてくれた「叱り方の極意」…。

豊富なエピソードとともに、人情の機微を伝えており、コニュニケーション下手な方には、ぜひ読んでいただきたい内容です。

嫌われていると思っていたボスにとことん付いて行ったら、食事に誘ってくれた、「生意気なんだよ」と言って胸ぐらをつかんだ先輩に「ご指導ありがとうざいました!」と礼をしたら、その後仕事先の会合に連れ回してくれるようになった…。

本書のエピソードに限らず、人が人を試す局面は数多くあり、いちいちへこたれていては、本当に深い人間関係は築けません。

傷付くのを怖れる気持ちはわかりますが、勇気を持って人と接することで得られることは多い、と教えてくれるエッセイ集です。

前作のようなテーマ性、ノウハウは少なく、あるとすれば以下の「かりてきたねこ」ぐらいですが、著名人のエピソード、著者の主張など、楽しく読むことができました。

◆雑誌の女性編集長が教えてくれた「叱り方の極意」
か……感情的にならない
り……理由を話す
て……手短に
き……キャラクター(人格や性格)に触れない
た……他人と比べない
ね……根に持たない
こ……個別に叱る

週末の読み物として、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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そもそも私がボスを避けていたのは、私が怖がっていただけでなく、おそらくボスは私のことを嫌いだろうと私が思い込んでいたからです。でももしかして、そんなに私を嫌いではないのかな。そんなふうに思ったとたん、私自身の恐怖心がしだいに薄らいでいったのです

「失礼ですが……」なにを言われるのかと思って待っていると、何も反応がない。つまり、「失礼ですが、あなたのお名前を教えていただけますか?」という言葉を略すと、「失礼ですが……」になるらしい。なんでそんなに言葉を節約するんだ? 堂々と、「お名前を伺ってよろしいですか」とか「どちらさまですか」とか、はっきり聞けばいいではないの。「失礼ですが……」で言葉を止められるたびに、失礼だなあと思います

◆雑誌の女性編集長が教えてくれた「叱り方の極意」
か……感情的にならない
り……理由を話す
て……手短に
き……キャラクター(人格や性格)に触れない
た……他人と比べない
ね……根に持たない
こ……個別に叱る

「お前、生意気なんだよ。わかってんのか、この野郎!」
その先輩に突然、胸ぐらをつかまれたそうです。そこで生意気な新人は、泣くでもなく震えるでもなく、感情を抑えてその場をしのぎ、そのあと店を出るときに、怖い先輩の前に立ち、「今日はご指導、ありがとうございました!」九十度に頭を下げてお礼を言った。すると言われた先輩はおおいに驚いて、以降、ことあるごとに仕事先の会合へ連れ回してくれるようになったとか

「いいか。常に志賀先生がお読みになるかもしれないと思って書きなさい」志賀先生とは、父の師である志賀直哉のことです。その言葉を言われたとき、すでに志賀先生はお亡くなりになったあとでした。それでも父は、「志賀先生の目に留まると思って書け」と言ったのです。それはつまり、ちょっと書けるようになると、読者を下に見るときがくる。その態度は文章に現れる

人は歳を重ねるにつれ、叱ってくれる年長の人間を一人ずつ失っていきます。そしていつか、誰も自分を叱ってくれなくなるときが来る。その瞬間を迎えることを私は怖れます

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『叱られる力 聞く力2』阿川佐和子・著 文藝春秋
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166609602

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◆目次◆

まえがきにかえて
I  叱る覚悟と聞く力
II 叱られ続けのアガワ60年史
III 叱られる力とは?
ちょっと真面目な、あとがき

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