2014年6月4日

『「戦略」大全』マックス・マキューン・著 vol.3606

【便利な戦略インデックス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479794387

本日の一冊は、現在活躍するグローバル企業の戦略を分析し、戦略の考え方と定石を紹介した、注目の一冊。

<未来をつくる“4つの質問”>や<3つの一般的な戦略>など、基本中の基本が平易な言葉で解説されており、実践に適した内容です。

◆未来をつくる“4つの質問”
・目標は何か?
・可能なことは何か?
・目標達成のために何ができるか?
・新たな機会に反応し、計画を修正すべきタイミングはいつか?

◆競争優位に立つ3つの一般的な戦略
「コストリーダーシップ」
「差別化」
「集中」

戦略を実行する際の組織的な問題にもきちんと触れており、企業経営者、コンサルタント、戦略部署の担当には、気づきが多い内容だと思います。

重宝するのは、巻末に、マッキンゼー、BCGなど、世界の著名なコンサルティング会社が使用する戦略ツールをまとめてあること。

SWOT分析、ポーターのファイブフォース分析など、有名なツールはもちろんのこと、「バーゲルマンの戦略ダイナミクスモデル」、「グレイナーの成長(と転換点)モデル」、「トレーシーとウィアセーマの価値基準」、「ミショーとトエニの戦略オリエンテーション」など、普段あまり紹介されない戦略ツールも紹介しているので、手元に置いておくと便利でしょう。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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1つの戦略だけに依存しすぎるな

世界は、私たちの計画能力を超えた複雑さを持っている。だがそれは、良い戦略家が受け入れなくてはならないことだ。起こったことに反応し、現実に対応することは、計画を立てるのと同じくらい重要だ

◆未来をつくる“4つの質問”
・目標は何か?
・可能なことは何か?
・目標達成のために何ができるか?
・新たな機会に反応し、計画を修正すべきタイミングはいつか?

考える「前」に計画を立て始めてしまうと、問題に対して不適切な解決策を設定することになりかねない。あるいは、間違った問題に対する正しい解決策を設定することになる

少人数のグループは、個人に比べて大きな賭けをしやすくなる。メリットを共有でき、失敗したときに批判を一人で浴びることもないからだ。ただし、集団が大きくなると、リスクを避けるようになる。習慣化した従来の方法から抜け出せなくなるからだ

意欲とパフォーマンスレベルのギャップが大きい場合、戦略の失敗リスクは高まる。幹部の考えがあまりにも似ているなら、それは現状に満足しているサインであり、結果、リスクを避けようと考えるかもしれない。ただ、幹部の類似性は慢心にもつながる場合があるため、逆にリスクをとろうとする自発的意思が高まることも考えられる

◆競争優位に立つ3つの一般的な戦略
「コストリーダーシップ」「差別化」「集中」

支配的なプレーヤーにとって魅力的ではない価格帯で製品を提供するなら、それらのプレーヤーが同じ価格帯で対抗してくる可能性は低い。革新的な製品やサービスを提供すれば、価格帯はあまり問題ではなくなり、競合企業が対抗手段をとるまでの時間も長くかかる。これを実現する良い方法の1つに、既存製品の機能の単純化がある。競合企業が、機能を減らすことでなぜ製品に魅力が生まれたのかを理解しようとして混乱する場合がある

単なる新機能は、顧客離れを招く

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『「戦略」大全』マックス・マキューン・著 大和書房
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◆目次◆

はじめに
戦略0 「戦略とは何か?」を知る
第1部 戦略家になる心構え
第2部 戦略家として考える
第3部 戦略の策定
第4部 戦略で勝つ
第5部 戦略を活かす
第6部 戦略ツールキット
おわりに
訳者あとがき

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