2014年4月3日

『投資家が「お金」よりも大切にしていること』 藤野英人 vol.3544

【もっと売れていい本?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061385208

先日、代官山の蔦屋書店を訪れたら、星海社新書のこんなオビが目に入りました。

「堀江貴文氏満点評価!!!『これは、もっと話題になって売れていい本だ!!!』」

一年ほど前の本ですが、どうやら見落としていたようで、遅ればせながら、ご紹介することにいたします。

本日の一冊は、野村證券、JPモルガン、ゴールドマン・サックス系の資産運用会社を経て、独立したファンドマネージャーの藤野英人さんが、お金や経済の本質を述べた一冊。

アベノミクスの上昇相場を見てもわかるように、日本人の多くは、相場が上向けば投資し、下がれば撤退するという「投機家」で、普段は「お金=汚いもの」と言いながら、ガッチリ預貯金で貯めこんでいます。

著者はこの姿勢を批判し、こう言っています。

<日本人は自分のこと、すなわち、自分のお金のことしか考えていない>
<自分でお金を貯め込んでいるということは、人にお金を出したくないということ。それは、人を信じていないことでもあります>

本書によると、アメリカでは、年間で、成人1人あたり約13万円お金を寄附しているのに対し、日本人はたったの2500円。

人に寄附もしないで、しっかり貯め込み、後世のための投資もしない。人によっては、億単位の金を貯め込んだまま死んでいく…。
これでは、「守銭奴」と言われても仕方ないのかもしれません。

本書では、こんな日本人が投資の本質を理解し、より良い未来を創るためにお金を使うよう呼びかけており、じつに好感が持てます。

海外の有名実業家が、どんなことを考えて投資や事業を行っているか、われわれ一人ひとりが正しく「経済」を知ることによって、どれほど良い未来を創れるのか、さまざまなエピソードとともに示しており、中学生、高校生にもぜひ読ませてあげたい内容です。

これを読めば、きっと投資が恐くなくなり、周りの「典型的」日本人からの雑音も気にならなくなるはず(=長期投資家になれる)。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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アメリカでは、年間で、成人1人あたり約13万円お金を寄附しています。それに対して日本では、成人1人あたり、いくらのお金を寄附しているでしょうか?(答え=たったの2500円)

日本人は自分のこと、すなわち、自分のお金のことしか考えていない

自分でお金を貯め込んでいるということは、人にお金を出したくないということ。それは、人を信じていないことでもあります

貧しいことそのものは、正義でもなんでもない(中略)清らかで豊かになることを目指す「清豊の思想」こそ、私たちは考えていかなくてはならない

ひとりの民間人である自分が、自らのお金を投じて進んで社会貢献をしようとは、誰も思わない(中略)「世直し」は、どこかの将軍や代官様がやってくれると信じている

従業員に過重労働を強いる「ブラック企業」を生み出しているのは、私たち消費者である(中略)低価格帯の旅行ツアーが流行るのも、居酒屋チェーンが朝まで長時間営業しているのも、「お客様のため」と言えば聞こえはいいですが、要は、私たち消費者が求めているから

経済とは、お金を通してみんなの幸せを考えること

孤独を埋める商品・サービスが売れるからといって、そのことになんの疑いも持たず、単に孤独を煽ってしまえば、結果として孤独感は増幅していき、孤独な人がさらに増えていく

本来あるべき金融教育とは、働くことに価値があり、その価値ある労働の延長に企業の利益があり、その利益の将来期待が会社の価値を形成していると理解すること

「私の成功とは、長期的な人間関係を築いて、人に奉仕することだ」
(インドのITサービス企業 ウィプロ・テクノロジーズの会長)

不真面目な会社が増えたことが、不況の根本原因

ゲイツは、未来の話しかしなかった

投資とは、いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からのお返しをいただくこと

私の考える投資の目的はただひとつ、
「世の中を良くして、明るい未来をつくること」

本来、「成長にかける」ことがいちばん安全で、リスクが低い

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『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人・著 星海社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061385208

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◆目次◆

第1章 日本人は、お金が大好きで、ハゲタカで、不真面目
第2章 日本をダメにする「清貧の思想」
第3章 人は、ただ生きているだけで価値がある
第4章 世の中に「虚業」なんてひとつもない
第5章 あなたは、自分の人生をかけて社会に投資している、
    ひとりの「投資家」だ

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