2014年4月17日

『中国13億人を相手に商売する方法』 江口征男・著 vol.3558

【中国ビジネス成功の「鉄のオキテ」とは?】
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最近は、アフリカ、インド、東南アジアなど、エマージングマーケット関連の本が面白いですね。

本日ご紹介する一冊は、さんざん取り上げられていながら、なかなかマーケットの実態が見えてこない中国市場に関する一冊。

著者の江口征男さんは、ブーズ・アンド・カンパニー、アクセンチュアなどの外資系コンサルティングファーム、子供服大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、家族で上海に移住。現在は日系企業の中国事業拡大を支援するコンサルティング会社GML上海の総経理として活躍する人物です。

中国企業の商慣行、中国の消費者の不可思議な行動パターンを上手にまとめ、紹介してくれているので、日本企業が進出に際し、注意すべき点がよくわかります。

さっそくいくつかピックアップしてみましょう。

【消費の特徴】
・「よいモノ」ではなく「有名なモノ」が売れる
・一番大切なキーワードは「性価比」(コストパフォーマンス)
・中国人にとって買い物は、単なる消費活動ではなく、自分の面子をかけた戦い
・無料サンプルは買う前ではなく買った後で提供せよ
・初期費用を有料にして先にカネを払わせたほうが、リピート回数が増える

【商慣行】
・中国人経営者との面談では第一印象を思いきり飾れ
・相手に大きいほうのケーキをあげる
・納期がなければ泥沼地獄
・月末締めの翌月末払いは通用しない

読めば読むほど、厄介な市場なわけですが、成功事例も載っているので、成功企業のやり方を見習って、自分なりにアレンジするといいでしょう。

売上が前年比85%を超えた時点でボーナスが支給される、中国最大手ドラッグストアチェーン「ワトソンズ」のインセンティブ制度、海底?火鍋(ハイティラオ)の驚異のサービスなど、中国企業に学ぶ部分も多いです。

ぜひ読んで、中国市場への理解を深めてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「よいモノ」ではなく「有名なモノ」が売れる

85度Cが取った戦略のひとつが、競合である「星巴克の力を利用する」という作戦です。星巴克の集客力を利用するために、星巴克の近くにあえて出店したのです

なぜこのショッピングセンターでは1~20位の年累計消費金額を毎日貼り出しているのでしょうか。その理由は、1~20位の超VIP客を無料で海外旅行(桜の時期の日本など)に招待しているからです

王老吉は、実は中国でコカ・コーラよりも売れている飲料

中国人の消費行動を理解する上で一番大切なキーワードは「性価比」

中国人にとって買い物は、単なる消費活動ではなく、自分の面子をかけた戦いなのです。中国人は、買い物が終わり家に帰ると「自分がどんな賢い買い物をしたか」を、家族や友だちの前で話します

中国人は荷物受取のためだけに自分のスケジュールを固定されることを嫌がります

無料サンプルは買う前ではなく買った後で提供せよ

中国では初期費用を有料にして先にカネを払わせたほうが、リピート回数が増える

日本でも行列のできる店は人気がありますが、中国では日本以上の効果があります

商品を購入する前に、まず中国人消費者がチェックするのが「販売実績」

商品本体ではなく「付属品」で勝負する

中国人経営者との面談では第一印象を思いきり飾れ

国営企業では経営者が企業を動かせない

「なぜ、外国人であるあなたが中国大手銀行の超VIP会員サービスに絡めるのですか?」(中略)「相手に大きいほうのケーキをあげることを、いつも心がけているから」

通訳は一番ギャラが高い人を使え

◆中国最大手ドラッグストアチェーン「ワトソンズ」のインセンティブ制度
店舗の売上が前年比85%を超えた時点で、スタッフ1人当たり50元のボーナスが出るのです。もし前年比90%であれば100元、95%で150元

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『中国13億人を相手に商売する方法』江口征男・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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◆目次◆

第1章 中国人消費者に「買いたくさせる」鉄則
第2章 中国企業と「したたかに付き合う」秘訣
第3章 中国人従業員の力を「120%引き出す」心得
成功事例インタビュー
あとがきにかえて 中国ビジネスで失敗しない秘訣10カ条

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