2014年4月14日

『イーロン・マスクの野望』 竹内一正・著 vol.3555

【資産8000億円。天才発明家の野望とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023312541

先日、南青山を散歩で訪れた際に、話題の電気自動車「テスラ」に試乗してきました。

ガソリン車とはまったく違う、まるでジェットコースターのような加速。フロントにエンジンルームがなく、前にもトランクがある構造、後部トランクに子どもが座れる仕掛けなど、とにかくユニークなクルマでした。

本日ご紹介する一冊は、このテスラをはじめ、宇宙ロケット、太陽光発電など、さまざまな分野で革命を起こそうとする希代の発明家、イーロン・マスクを取り上げた一冊。

12歳の時すでにゲームソフトを作り、500ドルで販売。スタンフォード大学の大学院を2日で辞めてソフト会社を起業、3億ドルでコンパックに売却。これで得た2200万ドルを手に、「Xドットコム」を立ち上げ、ペイパル社の母体を築く。ペイパル社売却で1億7000万ドルを手にして、いよいよ宇宙に。

とにかくスケールの大きいイーロン・マスクが、一体どんな人間で、何を考えているのか。

わずかながらでも、その横顔に迫ることができる一冊です。

イーロン・マスク本人や、関係者への直接取材が足りないのは明らかで、また周辺知識で字数を稼いでいるふしがあるのはカスタマーレビューにもある通り。

食い足りないところはありますが、イーロン・マスクについて書かれた初の書籍ということで、まずは買いでしょう。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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宇宙ロケット、電気自動車、そして太陽光発電。この三つの先端産業で革命を起こそうと挑んでいる異色の経営者

「人類を火星に移住させる」。これこそ彼の究極のゴールだ

幼い頃から本が大好きだった。弟や妹、まわりの子供たちがおもちゃに夢中になるのをよそに、「ロード・オブ・ザ・リング」や「銀河帝国の興亡」に熱中し、本を読みふけった。8歳でブリタニカ百科事典を全巻読破、小学校の高学年になると10時間も本を読みふけることさえあった

本は楽しみのために読むだけではなく、本を通して事実を知り、知識を吸収しようとする子供だった

イーロンのEV戦略は独創的だった。他社が、ずんぐりした車体デザインで一般ユーザー向けのコンパクトカーを目指したのに対して、いきなりピラミッドの頂点を目指す。つまり、誰もが欲しくなるようなカッコいいスポーツカーで立ち上げ、世間の注目を集める戦略である

イギリスのロータス社と共同開発契約をテスラ社は締結することに

「テスラ社の資金問題を気にする必要はない」とイーロンは楽観主義で染め抜いた旗を精一杯振った。それでも不安の波は押し寄せてきた。すると今度は、「たとえもし、すべての投資家が見捨てても、私がテスラ社を支える」と堂々と言い切った。これには世界中が驚いた

物事は見る角度で全く違ってくる。“今”にしがみついて“未来”をあげつらうか、今を脱却し未来に光を見付けるか

イーロンは「インターネットの世界には優秀な人たちがたくさんいる。だから、ネット以外の分野を目指し、そこで才能を発揮することも素晴らしいことだよ。起業家たちの優れた才能を活用できる産業分野はいくつもあるんだ」と自らがそうしたように、インターネット以外の分野への挑戦を強く勧めている

「特許を出せば、中国人がそれを使ってマネをするからだ」

「ドアはコミュニケーションを邪魔するだけだ」

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『イーロン・マスクの野望』竹内一正・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4023312541

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◆目次◆
はじめに
1章 降臨──南アフリカから来た男
2章 難航──人生最悪の時
3章 前進──未来を見る
4章 信念──宇宙への道
5章 独創──PCの電池で車を走らせる
6章 異端──ロケット作りの革命
7章 野望──人類を火星に送り込む
8章 運命──地球を救え
おわりに
イーロン・マスク年表

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