2013年10月1日

『アグリゲーター 5年後に主役になる働き方』柴沼俊一、瀬川明秀・著 vol.3360

【アグリゲーターという働き方】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274179

本日の一冊は、これからの時代の新しい働き方「アグリゲーター」について、グロービス経営大学院教授の柴沼俊一さんと、日経ビジネス副編集長の瀬川明秀さんが論じた一冊。

「アグリゲーター」とは、アグリゲートする能力を持っている個人という意味で、アグリゲートとは、<短期間に社内外の多様な能力を集め・掛け合わせて、徹底的に差別化した商品・サービスを市場に負けないスピードで作り上げるやり方>のこと。

エンターテインメント性、デザイン性など、商品に求められるものの本質が「面白さ」になった現在、商品のライフサイクルが短くなり、ビジネスはさらなるアイデアを必要としています。

これを企業が自前ですべてまかなうのは到底無理なわけで、そこで「アグリゲーター」の登場となるわけです。

本書では、この「アグリゲーター」の特徴が5つ、挙げられています。

◆アグリゲーター5つの特徴
1.将来やってくる社会を具体的にイメージし、自分たちならどのような貢献ができるのか考えてしまうし、プランを書かずにはいられない
2.既存事業の枠組みに囚われず、その瞬間に最も適切と思われる事業モデル・アプローチを設計・実行する
3.事業を実現するために必要な能力を見極めることができる
  それを集めるだけのネットワークを持っている
4.状況に応じて、自分の古いスキル・成功経験、能力をいとわず捨てることができる
5.強烈なビジョニング力を備えている

全体的に、昨今のキャリア本のエッセンスの総括という印象であり、もっと独自の視点が欲しかった気はしますが、よくまとまっているとは思います。

これからの働き方を考えるヒントとして、読んでみてはいかがでしょうか。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「同質の人材育成・維持」から「多様な人財の新陳代謝」へ

「ガバナンス(統治)」から「エコシステム(生態系)」への移行

◆アグリゲーター5つの特徴
1.将来やってくる社会を具体的にイメージし、自分たちならどのような貢献ができるのか考えてしまうし、プランを書かずにはいられない
2.既存事業の枠組みに囚われず、その瞬間に最も適切と思われる事業モデル・アプローチを設計・実行する
3.事業を実現するために必要な能力を見極めることができる
  それを集めるだけのネットワークを持っている
4.状況に応じて、自分の古いスキル・成功経験、能力をいとわず捨てることができる
5.強烈なビジョニング力を備えている

インターネット上の広告では、顧客数だけではなく、顧客一人ひとりに売り込むことが重視されるようになってきた。広告というよりも、「販売促進」の領域に限りなく近くなって来ている

「偉大なアイデアを全て手に入れることはできないが、人々を味方に惹きつけることができれば、偉大なことが成し遂げられる」(ジェフ・イメルト)

今後の経営に求められる仕組みは、個人が市場の先端を探り続けることを後押しする「自立化」、状況に応じて自在に変化に対応できる「モジュール化」、情報共有の時間とコスト、さらには管理コストを圧倒的に下げる「可視化」、この三つの基本設計思想でつくっていかなければならない

“事業の存続を前提にしていない”企業もある。例えば、IBMがそうだ。収益が出ていても将来的に成長が見込めないと思えば売却し、得た資金で次の成長分野へ投資をしていく

既に、一部の人々にとっては時間、仕事選択などの「自由度」が(豊かさの)モノサシになってきた

「3Dプリンター」に代表されるものづくりサービスの進化によって、職人のように個人単位での製造業が復活するかもしれない

創造生産性というキーワードは、「面白い着想を出し続ける力がより高い評価を得る時代になる」ということを意味する

趣味的起業とは、「面白くて、役に立つものには、価値がある」という当たり前のことを、誰もがビジネスとして実践できるようになってきた時代の到来を意味する

江戸時代の「職人長屋」のように、人々が「長屋」のようなコンセプトの住居空間に、住み、ものづくりをしたりサービスを提供したりするスタイルが増える

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『アグリゲーター 5年後に主役になる働き方』柴沼俊一、瀬川明秀・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274179

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◆目次◆

第1章 個人と企業の問題は一度に解かなければならない
第2章 企業経営を変える三つの武器I・C・M
第3章 硬直化した企業組織をどうやって壊せばいいのか
第4章 アグリゲーターが活躍する時代
第5章 アグリゲーターを生み出す組織
第6章 イノベーションパワーを拡大する七つの要素
第7章 「人財育成」と「イノベーション」は同時に進めよ
第8章 二〇三〇年 社会、企業、働くワタシ

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