2013年8月25日

『データサイエンティスト』橋本大也・著 vol.3323

【ビッグデータ時代の超人気職種?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797374446

2010年、マイクロソフトのオフィシャル採用ブログに、「テクノロジー業界で最もホットな専門職トップ3」が掲載されました。

それによると、最もホットな専門職のトップ3は、以下の通り。

◆2010年にマイクロソフトのオフィシャル採用ブログに掲載された「テクノロジー業界で最もホットな専門職トップ3」
1.データマイニング、機械学習、人工知能、自然言語処理
2.ビジネスインテリジェンス(BI)、競合情報分析
3.分析、統計。特にウェブ解析、A/Bテストや統計分析

現在、『統計学が最強の学問である』が、30万部を超えるベストセラーになっていますが、ビッグデータの時代にあって、統計知識はますます必要性を高めているようです。

※参考:『統計学が最強の学問である』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022216

本日ご紹介する一冊は、そんな時代の人気職種として有望視されている「データサイエンティスト」を、ビッグデータ分析ベンチャーの「データセクション株式会社」取締役会長で、デジタルハリウッド大学教授の橋本大也さんが紹介した一冊。

これまでに紹介してきた一連のビッグデータ本のようなディープさはありませんが、データサイエンティストの仕事の概要と、それが有望視される理由、最低限必要な統計の知識などが、まとめられています。

興味深いのは、ヤフーやソフトバンクモバイルなど、ビッグデータ活用で先端を行く大企業の担当者が、章末のインタビューで率直に意見を述べている点。

これによると、日本の「データサイエンティスト」はまだまだこれからですが、活躍の場は広がって行きそうです。

絶対的なノウハウがなくなってきつつある今、都度データを分析して、勝機を見出すデータサイエンティストは、企業に最も求められる職業の一つとなるでしょう。

キャリアの可能性を探る読み物として、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆スロヴィックのリスト(過大評価を誘発しがちな事柄に共通する要素)
「大惨事の可能性」「信用」「馴染みのある事柄」「メディアの注目」「理解できること」「事故の歴史」「個人によって制御可能」「公平さ」「自発性」「利益」「子供が関係している」「復元性」「未来の世代の事柄」「個人的なリスク」「犠牲者の身元」「出所(人工のリスク)」「極度の恐怖」「個人的なリスク」など

オロナミンCと一緒に使われる名詞の1位は「元気」だ。これは「元気ハツラツ オロナミンC」というCMでおなじみのフレーズがあるので理解できる。だが2位「陣痛」3位「味」4位「ジンクス」5位「焼き肉」と続くキーワードは何だろうか。陣痛という言葉が使われている投稿を読んでいくと「焼肉と一緒にオロナミンCを飲むと、味に刺激されて陣痛が始まって元気な子が生まれる」という、思いもよらないジンクスというか都市伝説的な書き込みが、妊婦を中心とした女性の間に広まっていることがわかった

エクセルならCORELATEという関数を使えば簡単に相関係数を求められる

相関の数字の解釈はケースバイケースだが、プラスマイナスどちらでも0.5以上であればやや相関があり、0.7を超えたら強い相関があると考えるのが一般的だ

散布図と相関係数を出力すると、乗車人員数とクチコミ数が0.829、乗車人員数と家賃相場が0.260ということになった。乗車人員数とクチコミ数とは強い相関があるが、乗車人員数と家賃相場ではないということになる

「あるサービスについてイノベーターだった人が別のサービスでもイノベーターであるとは限りません」(ヤフー安宅氏)

グロースハッカーはプログラミングとマーケティングの両方の能力を備えた人材だ。技術とビジネスの両方を極める

元ペイパルのマーケティングディレクターで、有名なエンジェル投資家でもあるデーブ・マクルア氏は、グロースハッカーの用いるべきデータ分析モデルとしてAARRRモデルを提唱している。
1.Acquisition(獲得)
2.Activation(定着)
3.Retention(継続)
4.Referral(紹介)
5.Revenue(収益)

そこに行けば面白いデータ分析ができるから、あるいは、面白いビジネスがつくれるからという動機で人材は集まってくる

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『データサイエンティスト』橋本大也・著 ソフトバンク クリエイティブ
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◆目次◆

第一章 データサイエンティストとは何か
インタビュー:ヤフー株式会社事業戦略統括本部
データソリューション本部 本部長 小間基裕氏

第二章 データサイエンティストならこう考える
インタビュー:国立情報学研究所コンテンツ科学研究系准教授 大向一輝氏

第三章 分析のツボを理解する
インタビュー:株式会社イー・エージェンシー取締役 野口竜司氏

第四章 データで語るトレーニング
インタビュー:ヤフー株式会社執行役員 事業戦略統括本部長 安宅和人氏

第五章 時代を変えるビジネスの担い手になる
インタビュー:ソフトバンクモバイル株式会社
マーケティング・コミュニケーション本部
Webコミュニケーション部部長 高橋宏祐/Web企画課課長 岩本嘉子氏

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