2013年8月30日

『クリエイティブ・シンキング入門』マイケル・マハルコ・著 vol.3328

【歴史的発明はいかにして生まれたか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799313673

本日の一冊は、世界的に有名な創造性開発の専門家で、CIAからGE、マイクロソフト、ウォルマートまで、幅広い組織に創造的思考法を教えているマイケル・マハルコの新刊。

前回の『アイデア・バイブル』も読み応え十分でしたが、今回も同様に刺激的な内容です。

※参考:『アイデア・バイブル 創造性を解き放つ38の発想法』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478008205

『アイデア・バイブル』が、トレーニング中心の内容とすれば、今回の『クリエイティブ・シンキング入門』は、エピソード中心。

当時12歳のフィロ・ファーンズワースが、ジャガイモ畑を耕すことでひらめいたテレビのアイデア、レジスターを発明したジェーク・リッティの「数える機械」というアイデア、アパレル業界出身のエドウィン・バディングが、芝刈り機を作ったエピソード…。

歴史的発明の瞬間、彼らは何をイメージし、どんなアイデアを結びつけたのか。じつに刺激的なエピソードが紹介されています。

本書のなかから一つだけ、芝刈り機を開発した、エドウィン・バディングのケースを紹介しましょう。

<芝刈り機がアパレル業界で開発されたと言ったら、そんなばかなと思うかもしれない。だが、まぎれもない事実だ。エドウィン・バディングは19世紀初めにイギリスの被服工場に勤めていた。当時、工場で作られた服の表面は毛羽立っていたので、なめらかになるように刈りこむ必要があった。この作業はローラーのあいだにつけられた回転刃でなされた(中略)服の表面を整えることと、芝を整えることのコンセプトを結合し、彼は長い刃と2つの車輪がついた機械をつくった。さらに、シャフトを機械につけて、しゃがまなくても機械が動かせるようにた。1831年に初の芝刈り機が完成した>

ノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンや、レオナルド・ダヴィンチなどの偉人たちのアイデア発想法も記されており、今回も、充実した内容でした。(後半の自己啓発寄りの内容は、余計でしたが…)

クリエイティブ・シンキングを身につけたい方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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過去に照合して答えがわかったと思った途端、あなたの思考は死んでしまう

異なる題材のあいだで、クリエイティブに連想や結合を生み出す鍵となるのは、コンセプトをかき混ぜることである

何かを習ってカテゴリー分けした時点で、それに関する思考が凍りつく

ヴァレリーは詩を書くとき、これまでにないものをつくり出すために2つの戦略を使ったという。ひとつは組み合わせをつくることであり、もうひとつは重要なことを選ぶことだ

中学校校長のペギー・ドゥプラは女生徒が口紅を使うことに頭を悩ませていた。彼女たちがトイレの鏡にキスをしてキスマークを残していくのである(中略)用務員と共謀して、ペギーは生徒たちをトイレに呼び、キスマークを落とすために用務員はよけいな仕事をしなければならないのだから見なさいと言った。用務員はトイレに入ってきて、開いている個室に入った。トイレ用のスポンジを便器の水に浸してから水切りして、そのスポンジで鏡を磨いた。このデモンストレーションのおかげで問題が解決した

芝刈り機がアパレル業界で開発されたと言ったら、そんなばかなと思うかもしれない。だが、まぎれもない事実だ。エドウィン・バディングは19世紀初めにイギリスの被服工場に勤めてた。当時、工場で作られた服の表面は毛羽立っていたので、なめらかになるように刈りこむ必要があった。この作業はローラーのあいだにつけられた回転刃でなされた(中略)服の表面を整えることと、芝を整えることのコンセプトを結合し、彼は長い刃と2つの車輪がついた機械をつくった。さらに、シャフトを機械につけて、しゃがまなくても機械が動かせるようにした。1831年に初の芝刈り機が完成した

レオナルド・ダ・ヴィンチは、「思考パターンに突然変異をもたらすためには、ランダムで偶然な出来事が重要な要因になる」と記した最初の人物だ

対立するすべてのものは共通の中心点から始まる

あなたの仕事の中で、不可能だが、もしも可能になればその後の仕事の質をがらりと変えてしまうことを考えてみよう

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『クリエイティブ・シンキング入門』マイケル・マハルコ・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799313673

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◆目次◆

イントロダクション
第1部 クリエイティブ・シンキングとは?
第2章 なぜいつも同じアイデアばかりなのか?
第3章 天才のように考えるには?
第4章 初めてのアイデア
第5章 なぜ、私はそれを思いつかなかったのか?
第6章 レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密
第7章 見方を変えれば、見え方が変わる
第8章 「チックタック」か「タックチック」か?
第9章 考えつかないことを考え出す
第10章 神が与えるアイデア
第11章 意志はクリエイティブ・シンキングの種子
第12章 話し方を変えれば考え方も変わる
第13章 フリをしていると本当にそうなる
まとめ 雨の中で踊れ
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