2013年7月12日

『ハーバード式「超」効率仕事術』ロバート・C・ポーゼン・著 Vol.3279

【30兆円動かす、超効率的仕事術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152093889

ビジネス書を専門にする仕事がら、たくさんの仕事術の本を読んできましたが、仕事術の著者のほとんどは、実際にはあまり稼げていない人です。

彼らは、仕事の目的を見直すことをせず、現状のまま、効率化を図ろうとします。

しかしながら、本当に稼ぐ人は、第4代松井証券社長の松井道夫さんおっしゃるところの「マイナスの決断」をするもの。

つまり、目的と優先順位を定め、そこに貢献する活動だけに時間を配分する。そのために不必要なものはばっさりカットするのです。

「戦略とは何をしないかを決めること」だそうですが、まさにそれができる人だけが、とんでもない成果を生むのです。

そういう意味で、とんでもない成果につながりそうなのが、本日ご紹介する『ハーバード式「超」効率仕事術』。

この本、何がすごいって、著者がすごいです。

訳者あとがきに、良い紹介文があったので、引用しましょう。

<このロバート・C・ポーゼンという著者、ただ者ではない。ハーバードを最優秀の成績で卒業し、イエールのロースクールに進学。学者の道を進むが、その後、証券取引委員会(SEC)、弁護士事務所を経て、世界最大の投資顧問会社フィデリティの副会長となった。その後、アメリカでもっとも伝統ある資産運用会社の一社MFSの会長として、スキャンダル後の立て直しに成功。その間もハーバード・ビジネススクール等で教鞭をとり、当時のミット・ロムニー知事に乞われてマサチューセッツ州の経済対策長官を務め…>

もう、紹介し切れないぐらいの仕事をこなしてきた著者なわけですが、裕福ではなかったため、ハーバードも複数の仕事をこなしながら、最優秀で卒業したそうです。本書には、そんな著者の秘密の仕事術がまとめられています。

優先順位と時間配分のミスマッチを解消すること、はじめに結論に目を向けること、先延ばしをなくすためには、たくさん締切を作ること、「その場で処理する」を意味する「OHIO(オハイオ)の法則」(=オンリー・ハンドル・イット・ワンス)…。

なかには、早く読む方法や、上手なスピーチを手際よくこなす方法、「空港をスムーズに抜ける方法」なんてマニアックな効率化ノウハウも載っています。

仕事効率化のノウハウと同時に、成果を上げる方法や社内で評価される方法、キャリア作りと処世術についてもまとめられており、じつに参考になる一冊です。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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多くを成そうと思えば、勤務時間ではなく、達成したい結果に目を向けなければならない

優先順位と時間配分のミスマッチは組織のどの階層でも起こり得る

ものごとを先延ばしにする人は、目先の楽しみに気をとられて本当に大切な仕事に取りかかれない

どのタイプの先延ばし患者にも、ミニ締切日──プロジェクト途中の具体的な目標に向けた段階的な締切日──を定期的に設けると効果がある

優先順位の低いことは、できるかぎり気づいたときにすぐその場で終わらせる

顧客や顧客になりそうな人の前ではながら仕事をすべきでない

◆仕事効率を妨げる面倒なルールが社内に存在する場合の対処法
・ルールの目的を知る
・ルールの精神が時代遅れになっていたり、あなたの行動に当てはめるべきでない場合、その行動がルールの範囲外と解釈されるように工夫しよう
・好意的な解釈が難しい場合や法的リスクが高い場合には、ルールの免除を頼んでみよう

日課をできるかぎり手早く機械的に片づけるよう努力しよう。そうすることで、仕事にも家族にも友人にも時間を割けるようになるし、疲れも減る。過去二〇年間の研究によると、頭を使って判断したり(今日はどのシャツを着ようか?)自制心を発揮すること(クッキーを食べちゃダメ! 人参を食べないと!)が脳を疲れさせるという

短い出張でも荷物を預けるようなら、おそらく荷造りが下手

会議にはきっちりとした締めが必要だ。だれがいつなにをするかについて決めなければならない。それを一覧にして、参加者全員に配るべきである

効率よく読むには、読む目的を明確にし、それを常に念頭に置かなければならない

見出しを先に読む

どんな論文や文書にも、単なる要約を超えた結論が必要

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『ハーバード式「超」効率仕事術』ロバート・C・ポーゼン・著 早川書房
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152093889

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◆目次◆

part1 いちばん大切な三つの考え方
part2 日々の生産性向上法
part3 個人のスキル向上法
part4 上司と部下をマネジメントする
part5 実りある人生を送る

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