2013年3月18日

『リ・インベンション』三品和広、三品ゼミ・著 Vol.3163

【次の成功戦略が見えた!】
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昨日、タカラ創業者の佐藤安太さんの本を読んで、今後のビジ
ネスの方向性について、重大なヒントをいただきました。

※参考:『人生ゲーム 人生は1マス5年で考えよう』
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それは、「成長」と「衰退」という対義語ではなく、「常識に挑戦」するという視点です。

日本企業は長らく、「成長」や「雇用」や「お金」に力点を置きすぎたため、この「挑戦」という視点を失ってしまい、皮肉なことに、アップルをはじめ、日本から学んだ外国勢の後塵を拝することになってしまいました。

しかし、ビジネスで本当に大事なのは、人々の生活の質を向上させることなのです。

本日ご紹介する一冊は、この人々の生活の質の向上を実現し、まさにブレイク中の新興企業、事業を紹介した注目の一冊。

日本企業が逃避しがちな「イノベーション」をデータから否定し、「リ・インベンション」(=前衛への挑戦)をコンセプトとして取り上げた、じつに興味深い論考です。

前半では、織機のイノベーションが織機メーカーを葬り去った現実を分析し、イノベーション信仰の危険性を指摘。後半では、企業事例をもとに、「リ・インベンション」の競争優位性、そして今日的な意義を説いています。

登場する事例は、事故の時だけ飛び出してくるスカーフ型ヘルメットのホヴディング、自転車ライトの常識を打ち破ったレボライツ、タテ型ピーラー(皮むき器)を世に出したOXO、羽根のない扇風機エアマルチプライアーなど。

既存テクノロジーとパーツの組み合わせだけでは決して実現できない使い勝手の良さ、理念を実現し、高付加価値を実現した事例を紹介し、これからの企業の方向性を指し示しています。

いわく「マインドは誰もコピーできない」。

ホヴディングの「皆がかぶりたくなるようなヘルメット」、レボライツの「安全に対する徹底的なこだわり」のように、見えないマインドが競争優位性を生み出す。

なぜ企業にとって「挑戦」が大事なのか、その本質を見せていただいた気がします。

これはぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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一つの事業に多くの人がぶら下がって生計を立てる働き方を、先進国は卒業するしかない

「知識」は「資本」と同様に蓄積できるものですが、新経済秩序の鍵を握るのは、もっと稀少性の高い資産のはずで、おそらく「企業家精神」、もしくは挑戦の姿勢のようなものになるのではないか

消費者が歓喜に浸る一方で、イノベーションを担ってきた名門企業が次から次へと経営不振に陥っていく現実があります

世界一になったにもかかわらず、日本の織機メーカーに勝者はいない

市場が移ろうとき、従来市場の枠内でイノベーションを地道に重ねてもまったく報われない

イノベーションの背後には汎用部材技術、または装置の進歩が控えているのが普通です。だから、同業他社や新規参入者もイノベーションの源泉にアクセスできてしまう

コンセプト自体の改訂に立ち向かうほうが得策

◆改訂に際しての焦点
1.誰に──製品を購入する顧客
2.何を──顧客に提供する価値
3.どのように──価値提供するための製品および事業設計

理想のヘルメット像を尋ねる質問に対して「見えない」という回答を得た瞬間、これだと二人は膝を打ちます

本当にサイクリストのためになるライトは、そっぽを向いて、自動車のドライバーのためのライトに生まれ変わる必要があった

発売前の開発段階で潜在顧客からフィードバックを受けられたのは、クラウドファンディングならではのメリット

マインドは誰もコピーできない

ユーザーの使い勝手に直結する要素を自社で押さえている

取り残された人々を見つめてみる

◆リ・インベンションの主役の共通点
1.名門大学を出ていない
2.不惑に達していない
3.モノに対する執着が見える

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『リ・インベンション』三品和広、三品ゼミ・著 東洋経済新報社
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◆目次◆

part1 Why:なぜリ・インベンションなのか
第1章 織機の快挙と悲劇
第2章 西洋芸術史の教訓
第3章 脱イノベーション
part2 What:これがリ・インベンションだ
第4章 起業家の挑戦
ホヴディング 自転車用ヘルメットを創り直す
レボライツ 自転車用灯火装置を創り直す
スマートペン ノートを創り直す
第5章 企業家の挑戦
OXO キッチン用品を創り直す
エアマルチプライアー 扇風機を創り直す
アイパッド パソコンを創り直す
第6章 大企業の挑戦
ベイブレード ベーゴマを創り直す
ネスプレッソ インスタントコーヒーを創り直す
ウォークマン カセットテープレコーダーを創り直す
part3 How:どうリ・インベンションするか
第7章 製品企画へのヒント
第8章 推進体制へのヒント
第9章 企業改造へのヒント

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