2013年2月8日

『社長復活 ぼくが再起業した理由』板倉雄一郎・著 Vol.3125

【『社長失格』著者が『社長復活』?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569809235

本日の一冊は、インターネット広告システムベンチャー「ハイパーネット」を起こし、絵に描いたようなサクセスストーリーを体現するも、97年、負債総額37億円で倒産、その後『社長失格』でベストセラーを出した著者が、『社長復活』への軌跡をつづった一冊。

※参考:『社長失格』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822241300

元ワイキューブ社長の安田佳生氏しかり、この板倉雄一郎氏しかり、何かを始めても止めても注目される人物というのはいるものですが、おそらくその理由は、「何をしでかすがわからない」からでしょう。

強力な欲によりリミッターが外れっぱなしになっている人間は、叩かれもするけれど、やはり「見ていて面白い」のです。

本日紹介するこの『社長復活 ぼくが再起業した理由』は、起業・倒産、離婚などを足早に経験した著者が、その時々の思い、得られた起業の教訓を、赤裸々なエピソードとともにつづった一冊。

倒産後、ベストセラーが出たことで生活が一変した話、その後出会った女性と結婚するも、息苦しくなって一年半で別れた話、「矢沢永吉モデル」で大儲けした話…。

アップダウンの激しい著者の半生を追いながら、経営の定石が学べる、じつに有用な一冊です。

<最も美しいビジネスモデルは、ダウンサイド限定&アップサイド(理論的に)無限大のモデル>

<経営の要諦は、「優秀な人間が気持ちよく仕事に集中できる環境」>

など、経営経験のある著者ならではの言葉が満載。

好き嫌いははっきりする本ですが、起業について学びたいなら、ぜひチェックしておきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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親元にいれば「不満」が募る。
親元を出れば「不安」に変わる。
従業員でいれば「不満」が募る。
独立すれば「不安」に変わる。
ぼくは、他人に向ける「不満」を持つより、自分自身に感じる「不安」のほうがはるかにマシだ。なぜなら、自分自身で解決可能だからだ

もし「ビジネスプランをよこせ!」という投資家や銀行がいたら、どんなに金が必要でも、彼らのお金に手をつけてはならない。ビジネスプラン(数字)を求める投資家に、ろくな奴はいない。あんなモノ、つくるだけ時間の無駄なのだ。つくったら最後、今の自分に将来の自分が拘束されることになる

最も美しいビジネスモデルは、ダウンサイド限定&アップサイド(理論的に)無限大のモデル

経営の要諦は、「優秀な人間が気持ちよく仕事に集中できる環境」

この程度で完成したと思ってしまうレベルの低さに問題があった。ぼくから見たらまだ全然完成の域に達していない。社長候補を探していたときに「無料だからこの程度でいいじゃないですか」と言った人間と同じで、自分が心底納得いくところまでつくり込まない人間とは、この先一緒に仕事はできないと思った

「会社2.0」で固定費が極力かからないモデルをつくってあるから、ぼく個人のお金だけで一〇年は動かし続けられる。だから、普及まで多少時間がかかっても問題ない

みんなが観ているところは劣化する

ぼくは、真のFREE(自由)を手に入れるためには、。利用者(=直接の受益者)が、それなりの負担をすることが必要だと考える

マイクロペイメント(少額課金)は、これからのネットコンテンツ業界の主流になる

暇がないから人は貧乏になる

スタートしたばかりの数カ月の数字にたいした意味はない

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『社長復活 ぼくが再起業した理由』板倉雄一郎・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569809235

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◆目次◆

プロローグ 震災──鬱からの脱却
第1章 社長失格──その後
第2章 会社2.0──新しい起業の形
第3章 仲間──すごい才能が集結した
第4章 挑戦──声に特化したSNS
第5章 進化形──ネットの近未来像
エピローグ 自信──次代を担う人たちへ
あとがき──社長復活

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