2013年1月11日

『別れる力』伊集院静・著 vol.3097

【切ない「別れ」を乗り越えるには】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062181533

本日の一冊は、累計66万部突破の『大人の流儀』シリーズ、待望の第3弾。

もともとは「週刊現代」に掲載していたものを、単行本化にあたり抜粋・修正したもので、前半が別れの話、後半が「大人の流儀」に関する話です。

著者は20歳の時に弟を亡くし、次いで35歳の時、妻・夏目雅子さんを白血病で亡くしました。
(その後、酒・ギャンブルに溺れ、無気力な日々を過ごしますが、その当時の話が『いねむり先生』に収められています)

われわれも、愛する人との別離を経験すると、喪失感のあまり無気力になったり、自暴自棄になったりしますが、本書では、人生において避けることのできない「別れ」とどう付き合うべきか、著者独自の視点が示されています。

夏目雅子、立川談志、色川武大(阿佐田哲也)、亡くなった著名人とのエピソードや著者の経験から、成熟した大人になるためのヒントがもらえる、そんな一冊です。

個人的に気に入ったのは、苦しい時にどうすべきか、著者が持論を述べた部分。

<苦境、苦節こそが人間を成長させ、真価を得る。大人の男が苦境の時にすべきことはひとつしかない。信じたことを普段の何倍もやることである>

<た易い道を選ぶのはヒーローのやることではない。人生は結果ではない(中略)たとえ人が、バカなことをと笑ってもかまうことではない。正しいことというのは半分以上が人の目に見えないことだ>

相変わらずの無頼ぶりに、好き嫌いが分かれると思いますが、ぜひチェックしていただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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親しい人を失った時、もう歩き出せないほどの悲哀の中にいても、人はいつか再び歩き出すのである

篠田正浩という名監督がいて、彼女が亡くなって二年後、偶然あった折に言われた。「あなたの小説を、彼女が突然私に持って来て、読んでくれと言われました」そんなこと露とも知らなかった。「私はこの人は小説家になるべき人だと思うのですが」と大きな目を見開いて言ったそうである

人は自分だけのために生きているのではないということである

談志は己を少し崩して生きた(少しじゃないか)。若い時代に自己否定を一度考えたものは“崩し”を敢えてする。最初の内はバカにしか映らないが、歯を喰いしばってこれを続け、天運、人運に恵まれると、これが人をかたちにする

G次は、或る時、“旅打ち”の居酒屋で私に言った。
「あんた博奕打ちになんのやめなはれ」
「どうしてですか。日本一ならやり甲斐が」
「たとえ日本一でも、博奕打ちの日本一は、日本で一番の三流の仕事いうことですわ」
「どうしてですか?」
「考えてみなはれ。仕事いうもんは誰かの役に立って仕事です。
ほれ、そこの八百屋かてええ白菜仕入れて売れば、翌日、客から、あの白菜を鍋に入れて食べたが美味しかったわ。おおきに、と言われる。ところが博奕打ちいう奴は一から十まで手前だけが勝てばそれでええんや。他人がパンクしようが、首を吊ろうが関係ない。そんなんは仕事ちゃいますやろ」

苦境、苦節こそが人間を成長させ、真価を得る。大人の男が苦境の時にすべきことはひとつしかない。信じたことを普段の何倍もやることである

た易い道を選ぶのはヒーローのやることではない。人生は結果ではない(中略)たとえ人が、バカなことをと笑ってもかまうことではない。正しいことというのは半分以上が人の目に見えないことだ

鮨屋はどんな時でも一席は空けておくものだ。店を育ててくれた客がいるだろう

新しい人でしか今の日本は変えられないのだから、その芽をつぶすようなつまらぬ大人にならぬことだ

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『別れる力』伊集院静・著 講談社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062181533

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◆目次◆

第一章 別れて始まる人生がある
第二章 楽して得られるものなんてない
第三章 正義っぽいのを振りかざすな
第四章 本物の大人はこう考える

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