2012年12月9日

『自分を見違えるほど変える技術』ケリー・パターソン、ジョ セフ・グレニー、デヴィッド・マクスフィールド、ロン・マク ミラン、アル・スウィツラー・著 vol.3064

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『スタンフォードの自分を変える教室』が17万部突破と売れていますが、本日ご紹介する一冊も、自分を変えることがテーマの一冊。

※参考:『スタンフォードの自分を変える教室』
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著者は、スタンフォード大学で組織行動論の博士課程を修了したケリー・パターソン、貧しい人々の経済的自立を支援するNPO「ユナイタス」の創始者ジョセフ・グレニー、フォーチュン500企業の人材育成に関わっているアル・スウィツラーなど計5名。

本書では、有名な「マシュマロ・テスト」(目の前に置かれたマシュマロを食べずに我慢できた子どもが成功した)に始まり、人生やビジネスで成功するための、心理的素養について述べられています。

ダイエットや禁煙、禁酒の失敗など、すべてを「意志の力」のせいにするのではなく、「影響力の六つの発生源」を意識することが重要と述べており、なかなか興味深い論考です。

◆影響力の六つの発生源
1.個人レベルのモチベーション
2.個人レベルの能力
3.社会レベルのモチベーション
4.社会レベルの能力
5.構造レベルのモチベーション
6.構造レベルの能力

われわれの多くは、ダイエットにしろ禁煙・禁酒にしろ、誓うだけで失敗に終わるものですが、それを科学的に成功させるためには、正しい手順を理解することが重要です。

「決定的瞬間」を探し、悪い衝動が起きた時の「重要行動」を用意し、上記6つの影響力の発生源をすべて使えば、行動はかなりの割合で改善する。

そして万が一、重要行動に失敗した時には、自分を責め、自暴自棄になるのではなく、好奇心を持って客観視すること。そしてチェンジ・プランを修正すること。

自分を変えるためのアドバイスが、随所に散りばめられていますが、「共犯者を友人に変える」「損得を逆転させる」「自分の空間をコントロールする」などは、特に有用なアドバイスだと思います。

なお、本書は必ずしもキャリアの本ではありませんが、<トップ・パフォーマーに共通する三つの重要行動>は、参考になりました。

◆トップ・パフォーマーに共通する三つの重要行動
1.自分の仕事に精通している
2.正しく焦点をあてる
3.親切で頼りになると思われる

自分を変え、明日からハイパフォーマーを目指したい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆影響力の六つの発生源
1.個人レベルのモチベーション
2.個人レベルの能力
3.社会レベルのモチベーション
4.社会レベルの能力
5.構造レベルのモチベーション
6.構造レベルの能力

自分の決定的瞬間がわかったら、衝動が起きたときに備えてルールを決めておく

将来のために、嫌なことを頑張ろうと思えないでいるのなら、よい方法がある。それは、既定されている未来について考えることだ

抽象的な言葉遣いで「将来のために貯蓄しよう」と考えるよりも、具体的な言葉で「屋根の補修費として貯蓄しよう」と考える方が、決意が実行される確率が高くなる

変化に成功するチャレンジャーは、退屈な行動をゲームに変えてモチベーションを高める。ゲームがゲームであるためには、次の三つの要素が必要だ。
1.時間の制約
2.小さなチャレンジ
3.スコア

明らかな共犯者は、あなたの失敗によって金儲けができる人や、あなたが正しい行動をすると都合が悪い人だ

損得を逆転させると、人間は健全な行動を開始するだろうか。答えはイエスだ

損失回避をうまく利用するには、自分の大切なものを危険にさらす方法を考えればいい

人は容器の大きさにかかわらず、中の食べ物の九二%を食べる

良いものを便利で手近なところに置きなさい。そして悪いものを不便で遠いところに置きなさい。

◆トップ・パフォーマーに共通する三つの重要行動
1.自分の仕事に精通している
2.正しく焦点をあてる
3.親切で頼りになると思われる

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『自分を見違えるほど変える技術』ケリー・パターソン、ジョセフ・グレニー、デヴィッド・マクスフィールド、ロン・マクミラン、アル・スウィツラー・著 阪急コミュニケーションズ
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◆目次◆

第I部 行動変化の科学的アプローチ
第II部 影響力の六つの発生源
第III部 あらゆるものを変化させる

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