2012年12月10日

『冒険に出よう』安藤美冬・著 vol.3065

【肩書を捨て、新しいことに挑む技術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799311832

本日の一冊は、集英社で社長賞を取りながら30歳で会社を辞め、その活躍ぶりがテレビ「情熱大陸」で大きく取り上げられた、安藤美冬さんによる処女作。

現在はノマドとして、「自分をつくる学校」の運営、野村不動産やリクルート、東京ガスなどが参画する「ポスト団塊ジュニアプロジェクト」ボードメンバー、日本初のスマホ向け放送局「NOTTV」でのレギュラーMCなど、縦横無尽の活躍をしている著者ですが、その思い切った行動の源泉は何なのか、興味をそそられました。

発売直後になんと5万部の増刷が決定し、既に7万2000部のベストセラーとなっているそうですが、読んでみると確かにエネルギッシュで面白い。

著者は、何の専門家でもない風を装っていますが、実際には、宣伝・広報のプロで、ミリオンセラーを仕掛けた経験もある方。

本書の読みどころは、そんなPRのプロが自分を売ったらどうなるか、という点でしょう。

ブランディング戦略として新しいのは、著者があえて自分の肩書を固定していない点。

オビに書かれた「未熟でも未完成でも“今の自分で突き進む”」というのは、一見未熟な若者をなぐさめる言葉のように見えますが、実際には未知の領域に挑む、革命家の言葉でしょう。

革命の時代には、前例のない行動が求められる。つまり、過去の体制での肩書など不要なわけですから、これはいよいよ既存の体制の終わりを感じさせられる内容です。

岡本太郎の言葉や、魯迅の言葉を引用しながら、読者に挑戦を促しており、じつに刺激される内容です。

「安全な道をとるか、危険な道をとるか。迷ったら、危険な道を選べ」(岡本太郎)

「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」(魯迅)

実用面では、人間関係の厳しいマスコミ業界で生き残ってきた著者のコミュニケーション術に注目したいところです。

軽い読み物ではありますが、元気をもらえる一冊です。ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「安全な道をとるか、危険な道をとるか。迷ったら、危険な道を選べ」(岡本太郎の言葉)

予測のつかない時代だからこそ、複数の収入減を確保し、組織に頼らず、自分がチームをつくる側になり、専門領域を決めないことで、あらゆる仕事をつかむ可能性を広げる

自分の道は、歩いてはじめて道になる

特別な才能や知識があるわけではない無名の個人だからこそ得られる、共感や応援がある

いじめられてばかりの憂うつな毎日も、「ここではないどこか」へ思いを馳せることで、乗り越えることができた

「思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」(魯迅)

フォローがあるからこそ失敗できる。周囲への感謝を忘れない

現実逃避からとる行動だと気づいたら、潔くやめること

挑戦の分母を増やす

過去から今に至るまでにお世話になった人と新しい関係を構築していくためにも「立つ鳥、跡を濁さず」の精神が大事

◆初対面で意識してやっていること
1.握手をする
2.相手をほめる
3.つっこみポイントをつける
4.共通点を見つける
5.「損得勘定」に訴える
6.事前準備を怠らない
7.手みやげを用意する

肩書きをひとつに決めない

自分の強みを4つ掛け合わせる

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『冒険に出よう』安藤美冬・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799311832

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◆目次◆

「自分の人生、こんなものだ」と思っている人へ
「無名の個人」にこそチャンスがある
CHAPTER1 一歩外へ踏み出す
CHAPTER2 自分の可能性を広げる
CHAPTER3 自分メディアの編集長になる
CHAPTER4 人との出会いが自分をつくる
CHAPTER5 自分らしく働く
おすすめの本、映画、言葉
おわりに
SURVIVAL MANUAL

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