2012年7月16日

『仕事はどれも同じ』フォルカー・キッツ、マヌエル・トゥッシュ・著 Vol.2917

【ドイツ発ベストセラー】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484121158

数年前に参加したとある勉強会で、マネックス証券のCEO、松本大さんがこんなことをおっしゃっていました。

「僕は本当に金融が好きか? って自問自答すると、ひょっとしたらそうじゃないかもしれない。でも、そんなこと考えちゃいけないんですよ」

同様に、土井は本当に出版が好きか? と問われると、ひょっとしたら危ないかもしれません。

でも、ここで考えなければならないのは、出版をやめて他の仕事をした場合、最初は楽しいかもしれないけれど、数年後にはどうなっているんだろう? ということ。(どうせ飽きるに決まっています)

そう考えると、やはり「出版は楽しい」のです。

本日ご紹介する一冊は、ドイツで仕事に不満を持つ人たち(=ほとんどすべての人)のバイブルとなったベストセラー。

さまざまな調査を通じ、仕事への不満、上司への不満、報酬への不満などから会社を辞めることの無意味さを説いた、画期的な一冊です。

本書によると、ドイツの勤労者のうち、「八五パーセント以上は転社・転職したがっている」そうですが、その理由のほとんどは、転職しても解決できない問題です。

たとえば、報酬に関しては、人は絶対額よりも他人より高収入であることを求めることがわかっていますし、評価に関しては、どこに行っても不公平、仕事は何をやったって飽きるものです。

では、われわれはどうやって日々の仕事を楽しくすればいいのか?

本書には、そのヒントが書かれています。

何百万人の失業者がいる状況で仕事に就いているのは奇跡だと思うこと、ひたすら今を生きること、嫉妬心を撲滅すること、自分の仕事は自分にふさわしい仕事だと思うこと…。

翻訳本にありがちなくどさが難点ですが、気持ちを入れ替えるには、ピッタリの一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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不満やストレスはあなたが今やっている仕事とはまったく無関係だ。調査の結果見つかった驚くべき結論は「仕事はどれも同じ」ということだった。上司が誰だろうと同じだし、絶えず転社・転職してもそれで満足できるわけではない

あなたの仕事にとってどんなことが邪魔だろうと、またあなたが職場から逃げだしたくなるような状況を作った張本人が誰だとしても、今の仕事、職場から逃げないことだ! なぜなら、あなたが今やっている仕事こそ、あなたにとっておそらくベストの仕事だからである

ドイツで勤務先に心からの絆を感じているのはわずか一一パーセント

学問的研究は、さらに興味深い事実を明かしてくれる。モチベーションが高まるのは、収入が多いだけでなく、自分が「他人より多くのお金」を稼いでいる場合なのだ

隣の人の報酬が自分と同額の場合は報酬センターはほとんど活性化しなかったが、隣の人の報酬が自分よりかなり下なら強烈に反応した

(経済面から見て)大学に行く値打ちがあるのは、「卒業後に、高卒などより六パーセント以上収入が多い場合」と算定した。そうした高い収益が得られたのは、ごくわずかの学部卒業生だけで、男性の場合には法学、経済学、社会学、医学、数学、理学、工学、女性の場合は、以上に加えて語学、教養科目だけ

「期待の危機管理」を行なって複数の期待を抱けば、大いに失望することはほとんどなくなる

INAQ(働き方変革プログラム)の調査によると、被験者の六一パーセントが「仕事ぶりを認められたことなど、まれか、ないしは一度もない」と言っている

何カ月か同じことをやったあとは、その他のことが何でもおもしろそうに見える。新しいことはそれなりに刺激になる。しかしその新しいことは何を約束してくれるだろう?

上司は、問題が存在することを私たちに伝えているのだ。上司が問題なのでもないし、上司が問題を作った張本人でもない

人間は何かを達成したとたんに、それを高く評価・感謝しなくなってしまう

ひたすら今を生きよう。唯一確実なのは現在という瞬間だけである

報酬が少ない被験者のほうが報酬が多い被験者よりも「仕事がおもしろかった」と言ったのだ

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『仕事はどれも同じ』フォルカー・キッツ、マヌエル・トゥッシュ・著 阪急コミュニケーションズ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484121158
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◆目次◆

第I編 心はもう退職モード。その後フラストレーションがたまりすぎて、とうとう退職願いを提出
1章 職場を替えても同じこと、上司が代わっても同じこと
2章 あなたは自分の期待にそぐわない仕事をしている
3章 いつも付きまとう邪魔な諸要素
4章 イライラの元凶はこうした連中だ
5章 退職は永遠に続くシナリオの途中の小休止にすぎない
第II編 「今やっている仕事」を「やりたい仕事」にしよう
6章 あなたの仕事と生活、その背後に隠れているもの
7章 世間は恩知らず
8章 お金だけでは幸せになれない
9章 フェアなコミュニケーション
10章 個性を維持し、プライドを高めること
   ──幸せになるためのガイダンス
あとがき

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