2012年4月23日

『運とつきあう』マックス・ギュンター・著 Vol.2833

【成功者たちはどうやって運を手にしたか?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248496

本日の一冊は、世界的に名を知られたスイス人銀行家を父に持ち、自らもジャーナリスト、作家として活躍したマックス・ギュンターによる名著。

個人的に「運」と名がついた本はあまり好きではないのですが、本書は、前提に投資やギャンブル、ビジネスなどの「勝負」の世界があり、その辺の浮ついた「ツイてる」本とはテイストを異にしています。

<適切なときに適切な場所にいること、そして、誰かを知っている人を知っていること>

だけにとどまらず、<「どのような運を求めているのか」をアピールする>ことの重要性、さらにはリスクを取ることの効果を説いています。

面白かったのは、<石油事業で伸るか反るかの大勝負に打って出>た結果、富を手に入れたロックフェラーが、成功した後は勤勉と倹約とを説くようになってしまったこと。

そう、成功者は成功した後、口をつぐむため、「運」が成功のカギを握るという真実は、闇に葬り去られてしまうのです。

ではわれわれは、どういう態度で成功に向かっていけばいいか?

それは、「運」があるという前提で、これを味方につける生き方・ふるまいを学ぶしかないのです。

本書には、この「運」とつきあうための、13の方法が書かれています。

・「人の流れ」に飛び込む
・「スプーン一杯」のリスクをとる
・引き際をわきまえる
・「最悪」を想定する
・沈黙を守る

これらの行動は、ビジネスで成功するための王道でもあるため、ぜひ本書をきっかけに、身につけておきたいところです。

また、石油王ロックフェラーや「モノポリー」の開発者チャールズ・ダロウ、『風と共に去りぬ』のマーガレット・ミッチェルなど、成功者たちの「運」にまつわるエピソードも読み応えがあります。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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運をつかむには、適切なときに適切な場所にいること、そして、誰かを知っている人を知っていることが必要なのだ

さしあたって述べておきたいのは、遅かれ早かれ幸運の連続は終わるということだ

不運な人の思考回路は同じだ。一度あるいは何度かの成功に気を良くして、成功したのは自分がうまくやったからだと勘違いして、同じ戦術を続ければ成功が続くに違いないと結論づける。そして、そのまま間違いに気づかず最後には失敗してしまう

映画スターになりたいのなら、とにかく大勢の人が集まる場所に飛び込むことだ。高い給料や刺激的な仕事を望むときも方法は同じだ

要するに、あなたが「どのような運を求めているのか」をアピールするのである

「人の流れ」に身を置くとは、要するに、多くの人と出会い、つながりをもつということだ

「スプーン一杯」のリスクをとる

ロックフェラーが築き上げた莫大な財産は、石油事業で伸るか反るかの大勝負に打って出た結果である

リスクを見きわめるときには、その「サイズ」と「確率」の大きさが重要である

ツキは長続きしない。そう思っていればだいたい間違いない。「平均の法則」は私たちの強い味方なのだ

「一〇〇パーセントを求めれば身動きがとれなくなってしまう」。
これが最高にツイていた男の言葉である

運の悪い人はたいてい自分が決めた人生の道筋にこだわる

アマチュアのギャンブラーは自分に都合の良いカードが出るように願ったり、祈ったりする。これは楽観主義にほかならない。それに対してプロは自分に不利なカードが回ってきたときのことを考えながら行動する

「しゃべりすぎること」は自らの選択の自由や柔軟さを制限してしまう

大切なのは、たまたま自分が辛い経験をしたからといって、そこから誤った教訓を導き出さないことである

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『運とつきあう』マックス・ギュンター・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248496
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◆目次◆

エディターズ・ノート
第一部 支配的な要因
究極の侮辱
誰も話さないこと
第二部 「幸運なポジション」に立つための方法
第一の方法―「運」と「計画」を区別する
第二の方法―「人の流れ」に飛び込む
第三の方法―「スプーン一杯」のリスクをとる
第四の方法―引き際をわきまえる
第五の方法―運を選ぶ
第六の方法―ジグザグに進む
第七の方法―「迷信」とつきあう
第八の方法―「最悪」を想定する
第九の法則―沈黙を守る
第一〇の方法―教訓にならない教訓
第一一の方法―不公平を受け入れる
第一二の方法―いくつも同時にこなす
第一三の方法―「運命の相手」に出会う
運とつきあう―「一三の方法」の使い方
監訳者あとがき

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