2011年6月13日

『柳井正の希望を持とう』柳井正・著 Vol.2518

【柳井正、商人道を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022733993

絶望の時代には、希望が売れるというのが本の世界の鉄則ですが、希望を謳う人間は、現在好調な人であるに越したことはないでしょう。

本書は、そういう意味で、人選・内容ともに時代に合った一冊ではないでしょうか。

この『柳井正の希望を持とう』は、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正さんが、2010年4月から1年間、朝日新聞土曜版「be」に連載されたコラムをベースに、自身のメッセージをまとめたもの。

いまだ震災のショックから立ち直れないでいる日本のビジネスパーソンに、商人としてあるべき姿を説き、喝を入れています。

いわく、<ビジネスマンが日本復興に向けてやることは行き過ぎた自粛や自主規制ではない。笑顔で、元気よくお客様を迎えることだ>。

さらに、最近流行の「頑張らない生き方」に対して、<頑張らない人生には価値がない。私は「生きる」ことは、すなわち「頑張る」ことだと信じている>と一蹴。

自分自身に期待し、希望を持って生きて行くこと。頑張ること。

そんな励ましのメッセージが、氏の体験やエピソードとともに語られる、じつに元気の出る一冊です。

20代のビジネスパーソン、そして30代、40代の経営者、マネジャーに、ぜひ読んでいただきたい啓発の書です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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我々はビジネスマンだ。ビジネスマンがやることは、すなわち働いて金を稼ぐことだ。仕事は我々の飯の種なのだから

「俺はつまらない人間だから」ではなく、「自分はこんなことができるのではないか」と自分自身に期待することだ

ユニクロの場合、店舗ごとの売上で、成績が良いのは国内店舗ではない。1位がパリのオペラ店、2位ニューヨーク、3位が台湾、4位が銀座……。トップ10のうち、海外店舗が半分を占めている

日本は経済敗戦した。まずは明確にその認識を持つ

頭を使うのならば、自分自身の判断が通用する世界にすることだ

私の主張は「産業を保護してくれ」ではない。産業の振興だ。産業の振興を具体的に説明すると、海外への売り込みに政治家も役人も手を挙げ、実行することである

日本では法人税の実効税率は40%にもなる。ドイツは30%、イギリス、中国や韓国は20%台だから、倍近い数字だ。これでは競争などできるはずがない

仕事の流れを分析して表にすること、売れた商品を集計して、売れ筋を考えること。このふたつの作業は誰でもやれることだ

大切なことは活字を追いながら、経営を考えることだ。「本を読む」とは書いた人と対話することだと思う

これまでにマーケットになかった商品はヒット商品になりうる。もうひとつは売る側が信じて売っている商品だ

人間相手の取引の鉄則は、まず自分が約束を守ること。その代わり、相手にもちゃんと約束を守ってもらう

◆父親が遺した2つの言葉
「金儲けは一枚一枚、お札を積むことだ」
「商売人は金がなくても、持っているようにふるまえ」

まず、自分の仕事を一生懸命やる。そして、相手の力になれる存在であることを証明すること。人脈はそうした努力の積み重ねで、おのずから広がっていく

小売業は、あらゆる人に買ってもらわなければいけない仕事だ。だから、ある候補者や特定の政党を応援することは私たちの商売の本質と相反する

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『柳井正の希望を持とう』柳井正・著 朝日新聞出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022733993

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◆目次◆

第1章 自己変革を急げ
第2章 経済敗戦からの出発
第3章 私の修業時代
第4章 基礎的仕事力の身につけ方
第5章 自己変革の処方箋
第6章 希望を持とう

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