2011年5月14日

『「本物の営業マン」の話をしよう』佐々木常夫・著 vol.2488

【「本物の営業マン」がなすべき仕事とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569796214

本日の一冊は、30万部超の大ベストセラー『働く君に贈る25の言葉』の著者、佐々木常夫さんによる、注目の営業論。

※参考:『働く君に贈る25の言葉』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872905008

通常、営業論というのは、証券や保険、不動産、自動車、教材などの高額商品を扱う営業、それもBtoCの営業を担当する営業マンが書くものと相場が決まっていますが、本書は違います。

本書では、東レでキャリアを積んだ著者が、消費財と生産財の営業の違いは何かをきちんと押さえた上で、営業マンに求められる大切な活動の数々を論じたもの。

タイトルは流行りの本にかぶせたもので、やや「本物」という響きを阻害する要素がありますが、内容は確かに、取引先や顧客、社内との信用を築き上げ、「本物の営業マン」になるためのノウハウが書かれています。

なかでも注目なのは、商品開発における営業マンの重要性。

かつて日経ホーム出版社にいたある営業マンは、店頭で英語特集にニーズがあることを知り、それを社内に持ち帰りました。

それからしばらく英語特集は、「日経WOMAN」の十八番になったそうです。

フルコミッションの営業マンの本ばかりを読んでいると、販売することだけが営業マンの仕事と思ってしまいがちですが、企業にとって本当に理想的なのは、黙っていても売れる商品を開発することです。

そういう意味で、本書は営業の本質を突いた一冊であり、近視眼的な経営者、およびこれから活躍する営業マンにはぜひ読んでおいて
欲しい一冊です。

ベーシックな内容が多く、ベテランには向かないかも知れませんが、経験が浅いうちから、本書の内容を実践していたら、バイヤーとしては「ぜひお付き合いしたい」存在になると思います。

営業の基本を身につけるために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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商品のネーミングやパッケージングについていえば、消費財の場合は直接売上に響く重要な戦略ですが、生産財にとってはそれほど重要ではありません

東レも消費者と接点を持つ企業であったら、自分たちの技術を生かしつつ繊維事業でのニュービジネスモデルを起こし、今のような体たらくではなかったはずです

売れないものを無理やり売ろうとするより売れるものを売ったほうが会社に利益をもたらす

「売る」ではなく「知る」が基本

売れるのが当然の商品は誰でも売れます。そういう商品が売れている間に次に売れる商品を見つけ、開発し、販売ルートを築いたり、世の中に知らしめていく。それこそが真に営業マンに求められる仕事

与信=売掛金を持つということは他人にお金を貸していることですから、信頼できる相手でなければ取引はできません。ですから取引先の与信管理が営業の重要な仕事になります

在庫が増え続けているというのは販売に見合わない生産をしているということ

私は「ビジネスは予測のゲーム」と考えています

ある意味で力の半分を社内に対する営業に向けられる人こそ、真に優れた営業マンともいえます

二つ似たような商品があったとして、一方は品ぞろえが充実しているが今後流行る車には対応できない。もう一方は対応できるが品ぞろえがあまり充実していない。ならばそちらの商品を充実させるよう、ラインを変えていくように仕向ける

接待すべきは技術部門

◆部下力を養う
「上司の注文を聴く」
「上司の強みを生かす」
「上司に応じたコミュニケーションの仕方をする」
「上司を驚かせてはならない」

人にアポイントを申し込むのにいつでもかまいませんというのは親切なようで親切ではありません

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『「本物の営業マン」の話をしよう』佐々木常夫・著 PHP研究所
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◆目次◆

第1章 あなたは本物の営業マンか
第2章 事実をつかむことからはじめよう
第3章 鍛えるべきは社内営業力
第4章 “人柄のよさ”だけでは戦えない
第5章 顧客を幸せにして、自らを磨ける仕事

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