2010年1月18日

『<就活>廃止論』佐藤孝治・著 vol.2009

【就職活動が消える?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048683063

ずいぶんと前から募集しているセミナースタッフ&ウェブ担当。

時間の制約がないからといって選り好みしているのも悪いのですが、良い人材がなかなかいないのも事実。

であれば、いっそ新卒はどうだろうか? と気づき、最近は新卒の募集も始めてみようかと思っています。

本日ご紹介する一冊は、学生の就職支援を行うベンチャー企業、ジョブウェブの社長、佐藤孝治さんによる『<就活>廃止論』。

学生のほとんどが人気ランキング企業に群がるけれど、採用されるのはトップ5%の人材だけ。

その他大勢の人間は不本意な就職をするか、就職できないという状況。

「たくさん集めて、たくさん落とす」就職活動の不合理さに納得で
きない著者が、新しい時代の採用活動を提案しています。

参考になったのは、「学生たちは参加したオープンセミナーの内容が満足のいくものであった場合、そのうちの六割が選考に進み、そのうち約七%が最終的に内定に至っている」というくだり。

さらに、このオープンセミナーは、「『仕事体感型』のセミナーが最も満足度が高く、三二%の支持を得ている」というのです。

この辺の事実がわかったら、あとは採用活動に反映させること。

気の利いた経営者・採用担当であれば、本書を参考に、まったく違った採用活動を展開できるはず。

採用に関する本ではありますが、なかに書かれた「変革人材」の条件は、現在働く方のキャリア構築にも役立ちます。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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厚生労働省が公表した二〇〇九年三月までの採用内定取消し件数は四二七事業所、二〇八三人に及んだ。さらに、入社したものの「自宅研修」という名目で「自宅待機を命じられた」というケースも増加している

大学生が仕事に就くのに、いわゆる年中行事としてのよーいドンの集団的「シューカツ」をする必然性など、実はない

就職活動には<ステップ0>がある。いわゆる就職活動のイロハとされる自己分析とか、エントリーシートの作成とかいった具体的な活動を<ステップ1>とすれば、それを始める以前の「経験と学びによって人間としての力を高める」という段階が<ステップ0>

近年、会社や仕事についてさらに深く知りたい学生のために、「オープンセミナー」と呼ばれるさまざまなタイプのセミナーが増えてきている

大学生の「社会化」が足りない

「自分自身のために勉強する」「自分だけが偉くなる」という人は、どんなに成績が優秀でも社会の真の「エリート」ではない

1.顧客を幸せにする付加価値のある商品やサービスを創る。
2.顧客に商品やサービスの価値を伝え、対価をいただく。
3.無駄を省き、効率をアップして、コストを抑える。
この三つのどれかで貢献できる人が、企業で「活躍できる人」となる

まとめてみれば、企業が求める人材は、「自分で考えて行動できる人」

成功はしていても、そこに何らかの行動原理が感じられない場合、その成功は偶然か、自分の実力以外の他の要素が原因になっているのではないかと考えるのが自然です

◆コミュニケーション能力
・人の話を聞き、自分の経験と知識を踏まえて、的確な質問ができる人
・自分と他者の感情を知覚し、自分の感情をコントロールできる人
・自分に自信を持っていながら謙虚さが感じられる人
・心に秘めた志があり、愛嬌がある人
・ホスピタリティーが高い人

「一緒に仕事をしたいかどうか」の決め手となる基準は二つある。それは、「高いレベルの専門性があるか(あるいは、そのポテンシャルがあるか)」「段取りがきちんとできるか、鈍感で足手まといにならないか」

学生たちは参加したオープンセミナーの内容が満足のいくものであった場合、そのうちの六割が選考に進み(つまり正式にエントリーし)、そのうち約七%が最終的に内定に至っていることがわかった

「仕事体感型」のセミナーが最も満足度が高く、三二%の支持を得ている

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『<就活>廃止論』PHP研究所 佐藤孝治・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569775586
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◆目次◆
第1章 「就活」の時代は終わった
第2章 「就活」の<ステップ0>
第3章 なぜ学生は就職できないのか
第4章 出現率五%の優秀人材になる方法
第5章 できる人材は自分で作れ
第6章 就職活動への提言
第7章 次世代へのアクション

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