2009年10月14日

『はじめて考えるときのように』野矢茂樹・著 vol.1913

【「考える」力が身につく、土井おすすめの一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456966203X

本日の一冊は、論理学関連の著書を多数持つ哲学者の野矢茂樹さんが、考えることの本質に迫った一冊。

昔読んで、最近、「ザ・プロフィール講座」や「10年愛」の生徒さんにもおすすめしているものですが、2001年に単行本が発売されて以来、ずっとロングで売れ続けている名著です。

一時期、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの名で、論理思考の本が多数出ましたが、そんな時期に、「『純粋に論理だけ』というのは、むしろ『考える』ことを放棄しているんだ」と喝破。

著者のシンプルだけれど深遠な問いに答えるうちに、考えることの本質がわかってくる、そんな一冊です。

普段行っている「観察」と「論理」に加えて、「考える」ことをすると、問題解決力が高まる。

そして「考える」ためには、他人の声が必要だし、問題が必要だし、さらには現実から身を引き離すことが必要だったりする。

考える力がかつてないほど重視されている今、本書はわれわれに、人間はどう考えるべきか、考えるためにどんな態度で仕事や日常に接すればいいのか、ヒントを示しています。

決して答えが書かれているわけはありませんが、著者とともに思索の世界をさまようことで、きっと考えることの本質が見えてきます。

考える力を磨きたい方、文章や話の論理性を高めたい方には、ぜひおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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水をいっぱいに張って、まずそこに細工師に渡した分だけの金を浸し、水をその分だけあふれさせる。次に金を取り出し、代わりに王冠を浸す。もし王冠の方が体積が大きいならば、つまり銀のまぜものがしてあるならば、水はさらにまたこぼれるはずだ。ヘウレーカ!で、実際、水はさらにあふれちゃったんだとさ

考えるんじゃなくて、感じることに鋭敏になること。でも考えることは、その感じを越えて、新たに関係、新たな意味を求めることだ

学校でやらされていた問題などは、問いのかたちがはっきりしていて、もちんとした答えがあることが保証されたものだった。だけど、ぼくらがしばしば出会う問題はぜんぜんそうじゃない。答えがあるかどうかもはっきりしないし、だいいち、どういう問題なのか、問いのかたちがはっきりしないのだ。だから、問題に向かったときの最初の声はこういうものになる。「これはいったい、どういう問題なんだろう」

型破りがあるためには、まず型ができていなければならない

同じことばで表現されていても、その背景に何があるかによって問いの意味は変わってくる

何の背景もなしに、ただ疑問文を作ってみても、それはぜんぜん問題にはなっていない

学べば学ぶほど、よりたくさんのことがより鋭くより深く問えるようになる

論理は考えないためにある

どんなにめんどうくさくても計算は計算であって、考えることとは違う

前提や結論それ自体の正しさは論理の正しさとは別の話

条件文というのは、その条件が満たされていないときのことは何も主張していない

前提の意味をはっきりさせること。そうすれば、結論はそこに書いてある。そこに書いてない結論を引き出してきたら、それは論理的には飛躍があるってことだ

観察や論理は問題を解くときに欠かせない素材だ。だけど、それを問題に合わせて、捨てたり、選びとったり、つなげたりしていかなくちゃいけない。「ヘウレーカ」の声を待ちながらそんな作業をつづけていく、それが「考える」ってことだ

考えるということは、現実から身を引き離すことを必要とする

いちばんむずかしいのは、つめこんだものをいったん空っぽにすることだ。つめこんで、空っぽにしないと、新しいものは入ってこない

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『はじめて考えるときのように』PHP研究所 野矢茂樹・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456966203X
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◆目次◆

1.「考える」って何をすることだろう
2.問いのかたち
3.論理的に考えるだって?
4.ことばがなければ考えられない
5.見えない枠
6.自分の頭で考える?

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