2009年9月16日

『年に一度は、退職届を書きなさい』木下道太・著 vol.1885

【退職届、書いてますか?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478008345

本日の一冊は、コンビグループ特別顧問、コンビネクスト社長の木下道太さんによる、サラリーマンのための処世術。

20歳で起業に成功しながらも、このままでは小さくまとまってしまうとの懸念から、事業を譲渡。その後、ベビー用品大手のコンビに入社して一からやり直し、3年で30億円の新規事業を成功させた著者が、その仕事術および心構えを説いた、注目の一冊です。

タイトルからしてそうですが、とにかく逆説の成功法則が面白い。

「業績のいい部署からは早く抜け出す」「人気のない部署でも、自由に泳がせてくれるところへ移ろう」「最初からAランクの評価なんてねらうことはない」など、いちいちひねくれた主張なのですが、これがキャリア形成の王道を貫いているのです。

おそらく著者が言いたいのは、若いうちは小さくまとまらず、成功の種を育てなさい、ということだと思います。

若いうちは、年収にこだわらない。目先の評価にもこだわらない。いまの自分の小さな自由時間を優先するより、信頼を獲得するために「誘いを断らない」。

ビジネスが付加価値創造業であり、投資業である以上、大切なのは、いま流行の「時間管理」や「節約」ではない。

それよりも、クリティカルな要因を見極め、大胆に行動するほうが、長期的には大きな成果をもたらすはずです。

ただし、そのためには大胆な行動を許してもらう「処世術」が必要。

いつも怒られてばかりいる人、会社が窮屈だと感じている人は、ぜひ読んでみてください。

なお、上司の方は、絶対に読まないでください。本書を読んで実際に行動する部下を思うと、きっと胃が痛くなるはずです。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ふつうの退職届では『一身上の都合で退職します』と書くところを、『今日、私は会社で手に入れた(いただいた)ものを返上します』と書いてみてください。手に入れたものの重さと価値がわかると思います。返上するものとして、名刺、給料、人脈があるでしょう

みなさんは「退職届を出しなさい」にならないようにしましょう。そして「退職届を出しなさい」と言われないような会社にしましょう

「自分の家を建てたい」と言っても、誰も5000万円は出してくれないが、「会社の店を自分が出したい」と言えば、会社はそのお金を出してくれる。その店は、実質的に、自分の店になる。だから、看板とお金をタダでくれるところが会社だといえる。いや、タダなんかではなく、さらに月々の給料もくれるではないか。それなのに、最近の若い人はなぜ辞めたがるのかが、私にはわからない

看板と給料と予算がよくなるなら転職しなさい

価値観を共有できない者とは一緒に仕事をすべきではない

成功しない場所でいくらもがいても、まったく意味がない

業績のいい部署からは早く抜け出す

業績が下がってもいいから、情報や金は囲い込むな

人気のない部署でも、自由に泳がせてくれるところへ移ろう

「ノー」と言わない習慣をつけろと、言いたい。仲間に最も評価させるのは「なにかをしてもらった」と感謝させることだが、そうなるにはかなり時間がかかる。それよりも「あいつは誘いを断らない」と思わせるほうが手っ取り早い信頼を築くことができる

現実のことをひとつひとつ積み上げながら、無理をしないで、手を抜けるときは手を抜く。それを続けていったとき、結果として世界記録にまでつながっていったのである

自意識しかなかったり、比較対照する気のない者には、自分の道も何もない

若いときに成果をあげる者ほど、目先ばかりを追って、大きな仕事ができなくなる。逆に、若いうちに成果を気にしない者は、後々、物事を大局的に見て取れる人間になる。この違いは大きい

ひとりずつ説得すれば、反対はいなくなる

定期券に縛られなくなれば、行動範囲も広がり自由になる。私は週のうち3、4日は社外の人と会っている

最初からAランクの評価なんてねらうことはない。それよりも、他人より時間がかかったり、売れなかったりする原因は何かを考え、時間をかけてもいいから、少しずつ対策を講じていくほうがよっぽ
ど成果につながるはずだ

投資して欲しければ、まず自分が投資する

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『年に一度は、退職届を書きなさい』ダイヤモンド社 木下道太・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478008345
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◆目次◆
第1章 快適なポジションをつくる9つの法則
法則1 看板とお金はタダでもらう
法則2 壁は無理に乗り越えない
法則3 合わない人とは仕事をしない
法則4 イヤな上司には、仲間をつくって対抗
法則5 業績のいい部署からは早く抜け出す
法則6 異動願は“逃げ”の姿勢でいい
法則7 飲みに誘われたら、断らない
法則8 プロ意識は捨て、素人意識を持つ
法則9 忙しい人はどこかに問題がある
第2章 ルールに縛られない7つの法則
法則10 マニュアルの2番目を変える
法則11 定例の会議には出ない
法則12 出社時間を守らない人間になる
法則13 若いうちは成果をあげない
法則14 20代は課長に、30代は役員に反対されることをする
法則15 社内の評価よりも家族の評価が大事
法則16 通勤の定期券は使わない
第3章 自分を成長させる9つの法則
法則17 年に一度は、退職届を書く
法則18 小さな実績で、誰でも「できる社員」になれる
法則19 一生懸命に動かない
法則20 A評価はめざさない
法則21 自己投資するなら、飲み食いに使う
法則22 去年の手帳は捨てない
法則23 10年以上のベテランにはならない
法則24 一生に一度くらいはお神輿を担ぐ
法則25 レストランに入ったらケチをつける
第4章 楽して稼ぐ11の法則
法則26 事業を始めるのは、異性と付き合うのと一緒
法則27 社内の人脈は使わない
法則28 他人を頼れる人間になる
法則29 プレゼンでは大風呂敷を広げない
法則30 一人で完結できる仕事にする
法則31 咄嗟のときは、シャツをメモにする
法則32 決定事項はどんどん変えていい
法則33 意思決定は「とりあえず」する
法則34 不安になるのは、まだまだ余裕がある証拠
法則35 会社のお金と自分の人脈で、好きな仕事をつくる
法則36 年収1000万円にならなければ、本当に辞めていい

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