2009年4月1日

『創造と変革の志士たちへ』堀義人・著

【グロービストップが語る「リーダーの条件」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798101591

本日の一冊は、ハーバードでMBAを取得し、その後、グロービス経営大学院を設立、現在学長を務める堀義人さんが、リーダーに求められる「3つの要素」を論じた一冊。

自身の体験や読書経験から、氏が導き出したリーダーの「3つの要素」とは、「能力開発」「人的ネットワーク」「志」の3つ。

本書では、これら3つの要素を、さらに深く掘り下げて論じています。

なかでも、ハーバード・ビジネス・スクールで学んだという能力開発の要諦は、参考になります。

「定石」「本質を見極める方法」「効果的に伝える力」…。

著者はこれを自分なりに読みかえ、リーダーとして必要な3つの能力に昇華させていますが、本書では、まさにこの3つを学ぶことができます。

その3つの能力とは、「知識・フレームワーク」「考える力」そして「人間関係能力」。

さすが数多くのビジネスリーダーを導いてきた著者だけあって、体系立ったリーダー論を学ぶことができます。

ややグロービスの宣伝が過ぎる部分もありますが、これ一冊でリーダーになるために何を学べばいいか、が明確になる、という点で、「買い」の一冊です。

グロービスのカリキュラムに興味のある方はもちろん、ビジネスリーダーとして活躍したい方、教育ビジネスで成功したい方には、ぜ
ひお読みいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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志士とは、高い理想を持ち、信念や主義主張を守って変えない人物のこと

塩野七生氏の『ローマ人の物語』(新潮社)によると、カエサルは、「能力を高めるための勉学」「多くの友人を作るための交際費」「女性への貢物」にお金を使ったのだという

◆野田一夫氏の説く志の3つの要素
1.壮大なもの
2.多くの人に感動を与えるもの
3.「成し遂げる」ということを事前に意思決定すること

世の中には、間違ったことがたくさんある。その間違った世の中の問題解決をするのが、ビジネスの役割である

◆ハーバード・ビジネス・スクールが教える3つの能力
「定石」「本質を見極める方法」「効果的に伝える力」

◆安岡正篤氏が説く本質を見極める方法
1.長期で考える 2.大枠を見る 3.多面的にものごとを見る

◆グロービスが説くリーダーの3つの能力
「知識・フレームワーク」「考える力」「人間関係能力」

◆リーダーシップに必要な人間関係能力
1.人間力 2.伝える力 3.やる気にさせる力

能力向上の基本は、繰り返し、繰り返しの反復練習

人間は負けなければ、戦略の本当の重要性を認識しない

好きでかつ得意なことをやりながら、それが社会にどのように役立っているのかを考えると、自らの使命というものが見えてくる

志も含めた全人格的教育を行うには、ロールモデルが必要

マーケティング的に言えば、プロダクトを高めないでプロモーションや営業をかけても無駄なように、人的ネットワークを高めようと多くの人に出会っても、人間としての魅力がないとネットワークはできないのである

大善を求めるよりも、一日一日の小善が徳をもたらす

◆ローマ・カトリック教会が長く存続している理由
バイブルがあるから

礼儀正しく潔い敗者に対しては、日本ほど優しい国はない

◆志士の五カン
1.世界観 2.歴史観 3.人生観 4.倫理観 5.使命感

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『創造と変革の志士たちへ』PHP研究所 堀義人・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569707556
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◆目次◆
はじめに
序 章 創造と変革の志士たちへ
第1章 能力開発―何を学ぶか、いかに学ぶか
第2章 志―自らの使命を追求する、強い意志を持つために
第3章 人的ネットワーク―「創造と変革」を生み出す場を作る
第4章 創造と変革―新たなる挑戦へと一歩、踏み出すために
第5章 志士―「創造と変革」を担う人に求められるマインド
おわりに

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