2009年3月25日

『バフェットの財務諸表を読む力』メアリー・バフェット、デビッド・クラーク・著

【バフェットなら財務諸表をこう読む】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198627053

本日の一冊は、世界一の投資家、ウォーレン・バフェットの財務諸表の読み方を、義理の娘であるメアリー・バフェットとバフェット研究者として知られるデビッド・クラークがまとめた一冊。

バフェットの銘柄選択の目の確かさは、ウォール街でも定評があり、その手の本はほとんどがベストセラーになっています。

本書では、バフェットが財務諸表のどこを見て銘柄選択の基準としているのか、その詳細が記されており、じつに参考になります。

師匠であるベンジャミン・グレアムができなかった「長期的競争優位性」を見極める方法。

本書には、投資家にとっても、経営者にとっても知りたい、その秘密が書かれています。

競争優位性に影響を与える販管費および研究開発費、支払利息の比率と売掛金。

これらの数字には、企業が置かれた状況と、経営者の経営観が反映されており、ここから多くを知ることができます。

投資家であっても、サラリーマンであっても、優良企業に投資したい気持ちは同じ。

経営者にとっても、どうすれば長期で競争優位性を保つことができるのか、ヒントが欲しいはずです。

本書はそういう意味で、経営者から学生まで、幅広く読まれるべき一冊。

もっとバフェット色が強ければより面白かったと思いますが、それでも有用なことには変わりありません。

投資やキャリアを成功に導きたい方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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すぐれた企業は、消費者の心の一部を所有している

◆ウォーレンによる”スーパースター企業”の分類
1.他にはないユニークな製品を売っている会社
2.他にはないユニークなサービスを売っている会社
3.一般大衆からの安定した需要がある製品もしくはサービスを、
低コストで仕入れて低コストで売っている会社だ

どんな場合でもウォーレンにとっては、利益そのものの数字よりも、「利益の源がどこにあるか」ということのほうが重要なのだ

企業が高い粗利益を稼ぎ出せるのは、永続的競争優位性の存在によって、売上原価をはるかに上まわる価格設定の自由が与えられるからだ。対照的に、永続的競争優位性を持たない企業は、自社の製品もしくはサービスを値下げすることで競争するしかない

販売および一般管理費は、”一貫して”低いことが望ましい

EBITDAを操るウォール街の専門家たちは、ひとつの事実を無視している。印刷機の減価償却が終わったとき、新しい印刷機を買うために、実際に100万ドルの現金が必要になるという点だ

永続的競争優位性を持つ企業の大多数は、支払利息をほとんど、もしくはまったく計上していない、という事実をウォーレン・バフェットは突き止めた

ある企業が一時的な事業場のトラブルに苦しみ、近視眼的なウォール街の連中に愛相を尽かされ、株価の暴落に見舞われているとき、ウォーレンはその企業が蓄えている現金や有価証券の額をチェックする。そして、直面する危機を乗り切れるだけの財政力があるかないかを冷静に見きわめるのだ

総売上高に占める売掛金の割合が、一貫して他社より低い企業は、ある種の競争優位性を持つ可能性が高い

おもしろいことに、永続的競争優位性を持つ企業の多くは、流動比率が分岐点である1を割り込んでいる

変更の必要がない製品を一貫して生産しつづけることは、一貫して収益をあげつづけることにひとしい

内部留保の着実かつ長期的な増加は、永続的競争優位性を持つ企業の特徴のひとつである

優良企業の株をいつ買えばいいのだろうか? まず第一は、弱気相場を狙うことだ

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『バフェットの財務諸表を読む力』徳間書店 メアリー・バフェット、デビッド・クラーク・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198627053
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◆目次◆
はじめに 財務諸表を読む力こそ超リッチへの鍵
1.バフェット流利殖術の要諦
2.バフェット流損益計算書の読み方
3.バフェット流貸借対照表の読み方
4.バフェット流キャッシュフロー計算書の読み方
5.永続的競争優位性を持つ企業の評価法
付録 永続的競争優位性を持つ企業の損益計算書モデルほか
用語解説
謝辞
訳者あとがき

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