2009年1月20日

『社長が知らない秘密の仕組み』橋本陽輔・著

【やずやのマーケティングの秘密がついに!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4828414541

「あなたが持っているバケツには、穴があいている」。

マーケティングでは、よく使われる言葉ですよね。

これを聞くと、つい「穴をふさいでから新規客を獲得すればいいんでしょ」と言いたくなってしまいますが、では、穴をふさぐための仕組みづくりはどうやって行えばいいのでしょうか?

丁寧な接客をしたところで、お客様はそれぞれ異なります。求められているのは、お客様それぞれの状態にあったフォローをすることなのです。

本書は、あの「にんにく卵黄」で有名な300億円企業、「やずや」のマーケティングの仕組みを、大番頭が明かした一冊。

「初回客」から「よちよち客」へと進む率が60%、驚異のリピート率を誇る「やずや」の顧客管理の仕組みが、「顧客ポートフォリオ集計表」などの具体的なツール入りで紹介された、必読の一冊です。

本書の軸となるコンセプトは、「優良客の発見より、コミュニケーションがとれていないお客様をいかに早く探し出し、優良客に育て
ていくか」ということ。

従来型のRFM分析やABC分析では見落としがちだった「顧客の育成」という視点を顧客管理に持ち込み、お客様との絆づくりを推進する、強力なメソッドを紹介しています。

「刈り取る」マーケティングではなく、「育てる」マーケティング。本来商売が目指すべきあり方を説いた、じつに読み応えのある内容です。

経営者はもちろん、マーケターも顧客担当も、ぜひ読んでおくべき一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ダイレクトマーケティングにおいては、新規客を獲得するコスト(CPO=cost per order)、つまり1件の受注に対するコストを見極めることが重要になりますが、このCPOが10年前の約10倍。これまで1人当たり約1000円で見つかったお客様が、1万円以上出さないと見つからなくなった

これまでの分析理論(RFM、ABC)に基づくと、どうしても短期的に利益貢献してくれる顧客だけに目がいきますが、ゆっくりとですが着実に購入してくれる顧客を見逃してしまう落とし穴もあった

◆顧客ポートフォリオ・マネジメント理論 顧客の5分類
1.初回現役客(「離脱期間」240日未満のお客様)
2.よちよち現役客(初回購入日から90未満の間に2回目を買い、
なおかつ「離脱期間」が240日未満のお客様)
3.流行現役客(「在籍期間」が90日以上210日未満であり、「離脱
期間」が240日未満。なおかつ「売上累計」が7万円以上)
4.コツコツ現役客(「在籍期間」が90日以上あり、「離脱期間」が
240日未満。なおかつ「売上累計」が7万円未満のお客様)
5.優良現役客(「在籍期間」が210日以上あり、「離脱期間」が240
日未満。なおかつ「売上累計」が7万円以上のお客様)

「やずや」さんの場合は、モノよりも「お客様との絆づくり」を大事にしているので、お客様をあおるような割引キャンペーンは行わない(つまり流行客を意図的につくらない)ようにしている

優良客の発見より、コミュニケーションがとれていないお客様をいかに早く探し出し、優良客に育てていくかがマーケティングのポイント

「初回離脱客」「よちよち離脱客」に対しては、「商品情報を与える」ことが最大のポイント

90日を超えて「コツコツ客」になったら、クロスセリング情報をどんどん流すべき

「初回客」の段階では「クロスセリング」してはいけない

「優良離脱客」が「現役復帰」した場合には、再び「優良現役客」の行動に戻る可能性が高い

自社のお客様になってくれたら、2週間に1回の割合でハガキを出します

商品の好みだけでなく、「購買単価」や「購買の頻度」も、同じパターンを繰り返す傾向にある

同じ年間1億円の売上を上げるとしても、新規客だけで達成するのとリピートでは、必要な顧客数もかかるコストもまったく異なる

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『社長が知らない秘密の仕組み』ビジネス社 橋本陽輔・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4828414541
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◆目次◆

はじめに
第1章 マーケティングの常識を疑え
第2章 顧客ポートフォリオでお客様の心をつかめ!
第3章 グラフとデータを読みこなせ!
第4章 「絆」経営で自社も顧客も育成
附 章 自社のボーダーラインを決めるための「Q&A」
おわりに

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