2008年12月15日

『ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記』鳥羽博道・著

【ドドールコーヒーの成功哲学】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532194571

本日の一冊は、ドトールコーヒーの創業者、鳥羽博道さんによる創業記。

著者の下積み時代から、コーヒーとの出会い、創業、そして事業を軌道に乗せるまでのプロセスが事細かに書かれており、ノンフィクションとして楽しく読むことができます。

随所に挿入される偉人たちの言葉も、いわゆる自己啓発好きが好むものとは若干テイストが違っていて、新鮮味があります。

武者小路実篤の「天に星、地に花、ひとに愛」「この道より我を生かす道なし 我、この道をゆく」という言葉、徳川家康の「願いが正しければ、時至れば必ず成就する」という言葉…。

なかでも、棟方志功の「日本のゴッホになるんだ」という言葉に刺激され、私は「日本のチボーになるんだ」と心の中で唱えたという話は、著者の志をダイレクトに感じることができる、いいエピソードだと思います。

時には騙され、失敗し、それでも理念を実現し、フランチャイズ化に成功した著者。

本書には、そのフランチャイズビジネス成功の要諦と、著者の経営哲学が詰まっています。

飲食店の経営をする人はもちろん、これから何か事を起こそうとする人には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「成功するにはコツがある。それは成功するまでやめないことだ」(松下幸之助)

あるとき気がついた。「倒産する、倒産すると思っているから、心が萎縮する。心が萎縮するから思い切って働けない。明日倒産してもいい。今日一日を必死でやろう」と

開き直り、毎日朝から晩まで身体の続く限り働いた。コーヒー豆と一緒に、ひたすら自分の人間性と商売に対する真剣さを売り込みつづけた。すると、ドトールの豆を扱ってくれる得意先が徐々に増えていった

「勝つか死ぬかの気持ちで物事に当たる」。これは私の事業経営の基本となっている

「一杯のコーヒーを通じて、人々に安らぎと活力を与えるのが喫茶業の使命だ」

自らの力だけに頼る思想は、いつかは力に負ける。家康の掲げた「世のため、人のため」という使命が正しかったからこそ、多くの人々の賛同を得られ、江戸幕府は二六五年も続いたのである

企業が成長発展していくにつれ、本社というものもそれに相応しい体裁を備えていかなければならないと、私は常々考えている

どうしたらよいかさんざん考え抜いた末、私は次のような結論に至った。「セールストークが不得手であるのなら、無理してコーヒーを売り込むことはない。それよりもまず、その店のために役立つことをしよう」

版画家の故・棟方志功氏が「日本のゴッホになるんだ」と言いつづけたように、私は「日本のチボーになるんだ」と心の中で題目を唱えつづけて、時機が訪れるのを待つことにした

商機というものは――たとえどんなに自分が正しいと思っていることでも――「時」、すなわち時代の大きな流れと、「機」、すなわちそのことを起こそうとする機会が合致して初めて、味方になってくれるものだ

お客様は最高の広報マンであることを忘れるな

「うまさとは人の感動を呼び起こすものでなければならない」

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『ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記』日本経済新聞出版社 鳥羽博道・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532194571
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◆目次◆
文庫版まえがき
まえがき
第一章 夢を与えつづけることが企業の使命
第二章 一六歳で飛び込んだ喫茶業界
第三章 ドトールコーヒーショップ設立まで
第四章 危機感が人間を突き動かす
第五章 一五〇円コーヒーの顧客第一主義
第六章 フランチャイズを成功させる要点
第七章 こだわりこそ成長の原点
第八章 想うことが思うようになる努力
あとがき
文庫版あとがき

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