2008年9月24日

『質問会議』清宮普美代・著

【出た!GEも認めた会議メソッド】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569702899

本日の一冊は、チーム開発の画期的メソッドとして注目を集める、「アクションラーニング」の世界的権威、マイケル・J・マーコード教授から直接指導を受けた著者が、チームの生産性を上げる独自のメソッド「質問会議」を初公開した一冊。

海外では、GEがリーダーシップ開発プログラムで導入したのをはじめ、モトローラ、ボーイング、IBMが次々と導入。日本でもトヨタ自動車やNEC、富士ゼロックスなどで採用されているという、実績ある会議メソッドです。

おそらく、みなさんも経験があると思いますが、通常の会議(本書では「意見会議」と呼ばれている)では、参加者が思い思いの意見を述べて解散。決めたことも意見もその後は実行されない、というケースが多いものです。

ところが、この「質問会議」では、あくまで「私たちの問題」を「私たちが解決する」というスタンスで臨み、個別の意見ではなく、「チーム脳」を起動します。

さらに規範を定める、進行のステップを細かく切る、ALコーチを設定するなどして、「いい場」作りのための工夫を凝らす。

これによって、会議の進行を、真の問題解決に向けてやるわけです。

目からうろこだったのは、進行の途中で問題を再定義する、そのやり方や、問題解決そのものを教育の機会とする考え方。

マネジメントをしていると、ついつい日々の仕事は仕事、教育は教育と分けて考えがちですが、本来、皆で問題解決に臨む場(=会議)こそが研修の場であって、成長の機会なのです。

本書には、その貴重な場である会議を、どのように運営すればチームが活性化するか、そのヒントが書かれています。

若干、食い足りない部分もありますが、経営者、人事担当者、現場のマネジャーには、参考になる本だと思います。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「今日の会議では、自発的に意見を言うことを禁止します」上司が突然こう言いだしたら、あなたはどう思いますか

共鳴質問によって「チーム脳」が働きだす

個人的意識で仕事をする人が集まっているだけではチームとはいえません

個人能力のアップだけでは、組織としての力はそれほど上がりません。チームとしての能力アップが生産性を向上させるカギです

いま必要なリーダーシップとは、解決策をチームメンバーから引き出すことのできる力です。リーダーは自ら答えをもたなくとも、メンバーが答えを発見できるような場や雰囲気を作り出す必要があります

質問会議のメンバーは4~8人が適当

役職上位者が参加する場合は、「肩書きに関係なく、全員平等な立場として発言する」ことをはじめにALコーチが約束させます。約束に反したらALコーチは注意し発言を撤回させ、場合によっては退場させます

人は「質問してください」という状況になると、話をよく聴きます。また、質問したことの回答はよく聴きます。すなわち傾聴を促すことになります。自然とお互いがよく聴き合うというコミュニケーションになるというわけです

振り返り(リフレクション)によって学習が習慣化する

同意できないメンバーは安易に同意するメンバーより、チームに貢献できる存在です

最終的な行動計画は、「何を」「いつ」「どこで」というように測定可能なものを考えます

いきなり解決策へと意識を飛躍させるのではなく、「真の問題は何か?」ということを掘り下げていくための質問が求められる。質問会議のメンバーのなかに、事情をまったく知らない人が何名かいたほうがいいというのは、このポイントで機能するからだ

「問題を明確にするための質問」がある程度出たところで、問題の再定義へと入る。これまでの質問を受けて、問題提示者を含めメン
バー全員が、「本当の問題はこれだ!」と思うものを紙に書く

社会が多様化し、変化のスピードが上がっていれば、ある特定の人が、いつでも有益な意見を述べるということは不可能です。つまり、特定の誰かが積極的に意見を述べるのではなく、質問によって全員が考えるチームを構築しておかなければ、いずれは打つ手を失ってしまいます

チーム問チーム答でチーム脳が動きだす
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『質問会議』清宮普美代・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569702899
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◆目次◆

はじめに
第1章 なぜ、あなたのチームは機能しないのか
第2章 基本の流れをおさえれば誰でも質問会議ができる
第3章 紙上で体感! これが質問会議だ
第4章 質問会議で鍛えるチーム力
第5章 質問会議が現場を変えた!
あとがき

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