2008年7月30日

『小が大に勝つための会計学』笠原清明・著

【中小企業社長、必読の会計本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121502825

本日の一冊は、中小企業を中心に約100社の税務に関わる税理士が、中小企業経営に必要な会計知識をわかりやすくまとめた一冊。

損益計算書とキャッシュフロー計算書の考え方の違いから、資金繰りのポイント、業者選びのコツ、詐欺を見破るヒント、そして税金の基礎知識まで、中小企業の会計に特化して、過不足なく論じています。

紹介されているのは、いずれも健全な企業経営を実現するためのノウハウであり、まさに実践に即した内容。

個人的には、部下のパフォーマンスを正しく見積もる、という意味で「部門別損益分析」の考え方が参考になりました。

「小が大に勝つための」はちょっと大げさなタイトルだと思いますが、中小企業の経営者が会社を潰さないために最低限押さえておくべき本という意味では、じつにポイントを押さえた、わかりやすい本だと思います。

まだまだ会計に対して苦手意識がなくならない、という方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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損益計算書はお金の出入りに関係なく、取引が行われたときに収益、費用としてカウントします。一方、キャッシュフロー計算書では取引が行われたときではなく、お金が入金したとき、出金したときに収入、支出としてカウントします

会社は赤字経営を続けていれば、いつかは倒産してしまいます。ただし黒字の会社であっても資金不足が続いていれば、いずれ倒産してしまいます。つまり「儲けること」と「資金を確保すること」は、会社を経営していくうえで大変に重要なポイントなのです

安いからといって余分に仕入れてしまうと、結局は売り切れなくて損をしてしまうことが多い

「売れ残り商品は店頭に置かないで倉庫にしまっておけばいい」という考え方もあるでしょうが、いまの時代、物を捨てるのもタダではありません。倉庫を借りすにはお金がかかります。また、売れ残り商品は捨ててしまえばいいという考え方もあるでしょうが、いまの時代、物を捨てるのもタダではありません

法人税(国に納める税金です。利益の22%かかります)
県民税(都道府県に納める税金です。法人税の5%かかります)
市民税(市町村に納める税金です。法人税の12.3%かかります)
均等割(都道府県・市町村に納める税金です。小会社の場合7万円です)
事業税(都道府県に納める税金です。利益の5%かかります)

売掛金と買掛金をきちんと管理することは、会社を運営していくうえで大変に重要な事項です

倒産リスクの観点から問題になるのは前者の固定費です。何かの原因で売上げが減少してしまっても、固定費の金額は減らず、経費倒れになる要因を作ってしまうからです

増えるのは家賃だけではありません。事務所が広くなるのに応じて、電気代も通信費も水道代も共益費も増えてしまいます

社長の報酬は会計学的には固定費とされます。しかし中小企業の場合、会社が儲かっていれば増やす、景気が悪ければ減らす、というように会社の利益を確保するための調整弁のような役割を担っています。中小企業の社長はいつ報酬が下がってもいいように決して贅沢をしないものなのです

節約は経費削減の王道とされてきましたが、意外なことに経費を増加させてしまうという側面があるので注意が必要です

人手をかけない会社運営の仕組みを作ることが、経費削減の最重要ポイント

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『小が大に勝つための会計学』笠原清明・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121502825
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◆目次◆

第1章 「安くても買わない」頭脳
第2章 自己資金0円で起業する裏技
第3章 腐ったミカンの恐ろしさを知る
第4章 売れない商品に税金の追い討ち
第5章 「高くても売らない」頭脳
第6章 売上げはあえて抑える
第7章 利益を生み出す秘密の方程式
第8章 大きな仕事の落とし穴
第9章 裏紙を使うことなかれ
第10章 あえて社長室を作らない知恵

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