2008年7月13日

『人を生かす』稲盛和夫・著

【稲盛和夫、待望の新刊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314070

本日の一冊は、京セラの創業者であり、現・名誉会長の著者が、若手経営者のための経営塾「盛和塾」で実際に行った経営問答をまとめた一冊。

現在刊行されている『稲盛和夫の経営塾――Q&A高収益企業のつくり方』同様のコンセプトですが、今回のテーマは「人を生かす」ということで、リーダーであれば誰もが直面する人材育成、組織活性化について述べられています。

※参考:『稲盛和夫の経営塾――Q&A高収益企業のつくり方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532194253/

活力ある社風をつくるには経営理念や哲学が必要、という原則論にはじまり、トップの言行一致、部下への愛情、社員のやる気を引き出す方法論まで、まさに経営でもっとも大切な部分を論じています。

改めて赤ペンチェックを見ると、書かれているのは当たり前のことばかりですが、いずれも重要で、実行するのは難しい。

それだけに、知識として読むのではなく、経営者の心構えとして、気がついたときに自問自答するための一冊として欲しいものです。

部下を持つすべての方に、ぜひ読んで欲しい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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会社経営において、トップはまず、何のために会社があるのか、ま
たそのためにはどういう考え方が必要かを明確にし、従業員に示し、
共有していかなければなりません

結局のところ、トップ自身が現場をよくわかっていないとダメなの
です。わかって厳しく追求しているから、毎日の朝礼で昨日の結果
を発表しても効き目があるのです

「社員のために」という思いが、経営方針にまったく入っていませ
ん。だから、社員が辞めていくのです

どんなに偉大なことも、地道な努力を積み重ねることでしか達成で
きません

金銭で人を釣るのでななく、心の内から燃えるような動機づけを行
なうことが大切なのです

「存在理由」を持てない企業は社会から消えていきます

普段からリーダーにふさわしい人間性を持てるように指導しながら、
活躍の場を与えることで、私は経営者意識を持つ幹部を育ててきた

どんなに賢い人を雇うにしても人間性のよい人を雇うことです。絶
対に能力だけで採用してはなりません

会社を城にたとえると、組織は石垣のようなものです。石垣には、
大きな石もあれば、小さい石もあります。スマートできれいな石だ
けを並べてみても風雪には耐えられない。小さい石があいだにつま
っているから、石垣がカッチリ組まれているわけです

現場の社員に、どうすれば利益がでるのかがわかるような仕組みを
つくることが必要なのです

「任せる」といって「任せっぱなし」にするのは下の下です

何といっても社長は、最終的な決断をしなければならない。そのと
きに、立派な哲学をもっているのか、つまり心の座標軸を持ってい
るのかということが決め手になるのです

私がいっている経営の要諦の中に、「値決めは経営なり」という言
葉があります

自分たちのためにトップが苦労しているというのは、共感を得ます。
つまり率直先般です

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『人を生かす』稲盛和夫・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314070
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◆目次◆

第1章 活力ある社風をつくる
第2章 社員のやる気を引き出す
第3章 幹部を育てる
第4章 自らを高める
終 章 リーダーの役割一〇カ条

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