2008年7月10日

『おしゃれなエコが世界を救う』サフィア・ミニー・著

【ビジネスに社会貢献の視点を】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822246701

本日の一冊は、環境問題と貧困問題に取り組むNGO「グローバル・ヴィレッジ」の創設者で、フェアトレード会社では、15年で年商20倍を達成したという著者が、その信念と経営哲学を語った一冊。

夫との結婚を機に来日し、女性の扱いのひどさと先進国の環境の悪さ、大企業の活動の陰で苦しむ途上国の現実を知った著者が、いかにして自分の使命に目覚め、ビジネスに取り組んできたか、その軌跡がわかる内容です。

豊富なエピソードから、現在の環境問題、貧困問題のポイントを読み解き、先進国に住むわれわれの使命を明らかにする流れは見事で、読んでいるうちに、自分の普段の消費活動について、深く考えさせられます。

日々、ビジネスに取り組んでいると、ついつい売ることだけを考えてしまいがちですが、「買う」という行為も、資本主義社会の住民としては大事な行為です。

その企業は社会にとって有意義な活動をしているのか、その活動は誰かを搾取していないか。

ビジネスパーソンとしても、また一消費者としても、改めて考えてみたいところです。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ふだん何気なく着ている服が、途上国の環境や貧困の問題とつながっている

私は、大きな団体に属する人が、自分たちの行動ひとつで周囲にど
れほど大きな影響を及ぼすのかを考えていないことに衝撃を受けました

そこは、半年ほど前に火災事故が起きた縫製工場のあとでした。午
前3時に工場の一角で火が出たとき、作業場ではまだ多くの人が働
いていました。工場は、外から見えないように窓のブラインドが下
ろされ、出入口は「労働者の安全を守るために」外から鍵がかけら
れていたというのです。建物には非常階段もなく、閉じ込められた
12人の労働者が命を失いました

社会の底辺に追いやられた女性たちの話を聞いて、私は弱い者を搾
取する経済システムを変えなければならないと心から思いました

たとえモノやカネがなくたって、ヒトの知恵、つまりアイディアで
それを補い、みんなで力を合わせればきっと目標を達成できる。私
はそれを信念にしてきたのです

フェアトレードを多くの人に知ってもらうためには、セレブの力は
大きいもの

農村に暮らす人びとが、伝統を守りながら自分の生まれ育ったとこ
ろで働いて収入を得ることができれば、都会に出稼ぎに行く必要も
ありません

フェアトレードとは、作る人と買う人がおたがいの文化を尊重し合
い、学び合うこと

自分の1票をどこに投じるのか。ひとりの票は小さな力でも、同じ
思いをもった仲間が増えれば、大きな力になります

日本は資源が少ない国だといわれていますが、最高の資源をもちな
がら有効に使っていないと思います。それは、女性の力です

私が仕事やプライベートで出会った魅力的な男性たちには共通点が
あります。人に対して、あるいは自然環境に対して、「競争」や
「支配」ではなく「共生」という考え方ができること

クリエイティブで、自分の信じるものに情熱を注いでいる人は、誰
もが「社会企業家」なのです

私の大好きなガンジーの言葉があります。それは、”Be the change
you want to see.” 世界に変化を求めるなら、まず自分がその変
化になりなさい

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『おしゃれなエコが世界を救う』サフィア・ミニー・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822246701
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◆目次◆

はじめに
第1章 「ヘンなことをいう、ヘンな外国人」
    ――ロンドンからバブル全盛の東京へ
第2章 自分で稼ぐ!――ティーンのころから磨いたビジネスセンス
第3章 日本からフェアトレード・ブランドを発信する
    ――公私入りまじる、てんやわんやの起業
第4章 利益よりも人を優先しよう ――「アンフェア」はもういらない
第5章 世界へ飛躍する ――人が支えるフェアトレード・ビジネス
第6章 おしゃれにエコライフを楽しむ ――毎日の暮らしから結婚・出産まで
第7章 社会企業家にできること ――世界を救うのは、あなた
おわりに

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