2008年5月2日

『稲盛和夫の論語』皆木和義・著

【経営者は心を鍛えなさい】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632567

本日の一冊は、東証一部上場の株式会社ハードオフコーポレーションの社長であり、盛和塾の代表世話人も務める著者が、稲盛和夫さんの言葉と論語を織り交ぜながら、リーダーの心構えを語った一冊。

数年前、稲盛さんにおこなった一時間半あまりのインタビューが原点となっており、弟子の立場から見た稲盛語録、といった趣です。

稲盛さんのファンでなくとも、「だれにも負けない努力をする」「謙虚にして奢らず」「反省ある日々を送る」などの言葉を散りばめた「六つの精進」は、参考になる考え方だと思います。

最近流行の上昇志向系自己啓発書と比べ、一線を画しているのは、人として、指導者としてどうあるべきか、どんな人間になれば良いのか、という考えが明確に説かれていること。

読むだけで背筋がピンと伸びる言葉の数々が、本書の最大の魅力でしょう。

何でもかんでも、孔子の教えと稲盛さんの言葉を関連づけるのはちょっと難しい気がしましたが、それを除けば、よくできた語録だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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相手を思いやり慈しむ心をもって生きることが人生の意味だ

孔子は言った。「その人の行動を見て、動機を見極め、目標を知れ
ば、その人の<人となり>は隠そうとしても隠しきれないものだ」

集団のベクトルを合わせ、良い雰囲気を保ちながらも最も高い効率
で職場を運営するためにはどうすればいいのでしょうか。まずは
「みんながいるから自分が存在できる」と周りに感謝することです。
そのうえで「自分はまだ発展途上である」と謙虚な姿勢を持ち続け
るようにしましょう

孔子は言った。「地位がないことを心配せず、その地位に立つべき
理由を気にせよ。自分を認める人がいないのを気にかけず、人に認
められるような行動ができるように努力せよ」と

倹約の大切さを知っている人間は、人生で失敗することは少ない

「日々採算をつくる」という意識を持って仕事に臨む

社内に「感謝心」と「人の和」がない企業は、お客様に喜んでいた
だけるものは生み出せません

孔子は言った。「賢人を見れば自分も同じような優れた人物になろ
うと努力し、つまらない人間を見れば自分にも同じような欠点がな
いかみずから反省すべきである」

責任を持って仕事をやり遂げるためには、仕事に関わる人々が、お
互いに気がついた問題点や欠点をどんどん指摘しあうことが必要

「すべての人が率先垂範する職場風土をつくりあげる」
(京セラの行動規範)

ビジネスにおいては、公私のけじめをはっきりとしなければなりません

与えられた地味な仕事に、会社全体のなかでどんな意義があるのか
を見いだす人は間違いなく成長します

己の狭い常識に基づいて仕事を進めてはいけないのです。枠にとら
われない衆知を集める「心の自由人」こそ、人を束ねる人間にふさわしい

事業の目的を何にするのか。これは企業にとってたいへん重要なこ
とです。稲翁によれば、「その目的は人間として最も崇高な願望で
なければならない」

前向きな「失敗を許容する風土」をつくることが「思いやる心」の
組織化と好循環につながっていきます

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『稲盛和夫の論語』皆木和義・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860632567
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◆目次◆

はじめに
1.「生き方」の章
2.「成長」の章
3.「仕事」の章
4.「道を拓く」の章
5.「組織者」の章
6.「経営」の章
エピローグにかえて

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