2008年5月27日

『仕事で大切なこと』松下幸之助・著

【松下幸之助の肉声つき!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569700098

昨日、ジャック・ウェルチのスピーチライターが書いた本を読んでいたら、実際に優れたリーダーたちのスピーチをまとめて聴いてみたくなりました。

そんな時、たまたま手元にあったのが、本日ご紹介する一冊、『仕事で大切なこと』。

「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助の肉声が入ったCDつきで、仕事で成功するための考え方や、生きがいを見つける方法が語られています。

もちろん、受け手として存分に楽しんでいただくのも結構なのですが、昨日の流れから行くと、これはぜひ語り手として、リーダーとしてどう伝えているのか、に注目して聴いてみたいところ。

これらの講話を通して、松下幸之助は何を伝えようとしたのか、その真の狙いを解き、またそれをどう伝えようとしたのかを読む。

こうすることによって、いかに松下が人心を掌握したか、その本質も見えてくると思います。

本業でない高校野球と本業である仕事を比べて、どうして高校球児に負けない情熱をもって仕事に取り組めないのか、と説く。

他社に引き抜かれて社長になり、憂き目にあった中堅社員のエピソードを通じて、自己認識の大切さを説く。

さすが何万人という社員を束ねた松下だけあって、いずれの話からも人心掌握の秘訣を学ぶことができます。

価値観もビジョンもさまざまな社員に、どうやってやる気になってもらうか。おそらくどこの社長も悩んでいることですが、それに対するヒントが、この本にはあると思います。

経営者の方は、ぜひ読んで(聴いて?)みてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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野球の選手が勝っても泣き、負けても泣くというような、全身全霊
を打ち込んでいるというようなその姿が、皆さんの仕事の面に現れ
たならば、私は、同じように天下の耳目を集中することができると
思うんです。そのあなたの仕事が発展しないことはない、そのあな
たの仕事によって多くの人が幸せにならないことはないと思います

自己認識ということが、個人が世の中に立っていくにおいて、いち
ばん大事なことだと、私は思うんです。そういう自己認識というも
のができたならば、決してその人は失敗しない

また毀誉褒貶といいますか名誉といいますか、あるいは利欲と申し
ますか、そういうことに動かされないだけの、そこに信念をもつと
いうことが必要やないかと思うんです。いわゆる成功というものが
あるとするならば、それがほんとうの成功の道だと思うんです。そ
うすると個人は、仕事のいかんにかかわらず、十分生きると思うん
です。生きるから、その仕事を通じて、社会に貢献することもでき
るし、また自分のためにもなるし、そこに過ちが起こらずしてすむ
と、こういうように思うんです

いちばんいい方法は、相手も傷つけず自分も傷つかずして、そして
わが主張を相手に入れる

数字さえあげればいいんだということが許されるかどうか。私はそ
ういうことであれば、むしろやらないほうがいいと思うんです。そ
んなことをして、松下電器が繁栄して何が得られるか。われわれの
人間としての目的に反すると思うんです

少々高かったけども尊い体験だと、こう解釈して、そしてそこに心
をひらく人は、私は非常に後日進歩する人で成長する人だと思う

われわれの地位、お互いの地位、責任というものは、わがために存
在するものじゃございません。全部が社会の要望によって生まれて
きているものであります

全部わがためということを捨ててしまえとは、私は申しません。け
れども、半分はわがためであり、わが地位であるが、半分は世間の
要望のために生まれた地位であり、仕事であるというように解釈し
なければ、社会性というものがなくなる

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『仕事で大切なこと』松下幸之助・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569700098
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◆目次◆

はじめに
第1話 仕事に面白味を感じよう
第2話 ほんとうの成功とは
第3話 ダメな師匠から名人が育つ
第4話 社会正義に沿って最善の道を
第5話 失敗して成長する
第6話 一年一年どれだけ成長しているか
第7話 社会のためにわが仕事はある
第8話 愉快に考えると幸せが来る
第9話 苦しさに境地をひらく
第10話 素直な心を養う

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