2008年5月9日

『オカネとウソの論理学』柳澤賢仁・著

【嘘とお金と処世術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861138027

本日の一冊は、祖父、父、叔父が公認会計士・税理士という一族に生まれ育ち、自身も外資系最大手アーサー・アンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て独立した著者が、お金と嘘の本質を語った、ちょっと哲学的な本。

日常、お金と嘘の世界で仕事をしている著者だけに、じつに興味深い考察がなされており、頭を刺激されます。

著者いわく、「嘘やお金は実に厄介な日常問題であるにもかかわらず、多くの人が目をそらして生きている」。

本書はこれらのタブーに真正面から切り込み、その本質を探ってみようという、じつに刺激的な試みです。

そもそも嘘とは何なのか、許される嘘と許されない嘘の違いは何なのか、われわれが生きる上で嘘はどう役に立つのか…。

人間が嘘をつく生き物である以上、どうその嘘に付き合って生きていけばいいのかは、生きる上での一大事です。

自分が嘘やお金に対してどんなスタンスで臨んでいるのか、というのは人それぞれ違いますが、そもそも、どちらとも必要だから存在しているはず。

だとしたら、嘘やお金と付き合うヒントを教えてくれる本書は、われわれが幸せに生きる上で重要な鍵を握っているはず。

その「鍵」を手に入れたいと思う方は、ぜひ禁断のページをめくってみてください。

ここには、これまで社会規範やルールを何の疑問もなく受け入れてきたみなさんにとって、衝撃的な事実が並んでいます。

ひょっとしたら読むことで、これからの人生が変わってしまう人もいるかもしれません。

感想は…友人や家族と議論しないことをおすすめします。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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何かを論ずるときには、必ずその一番の基礎となるところ、つまり、
「そもそも論」が大切なのだ

おそらく、嘘は一番高次元な欲求である自己実現のひとつ「事実へ
の素直さ」と関係があるのではないかと思います。逆に言うと、つ
まり、人は、その他の生理的欲求、安全への欲求、愛や人との繋が
りの欲求、尊敬への欲求という比較的低次元の欲求のためなら、平
気で嘘をつくのではないでしょうか

将来について、絶対に確実な予想ができる人などいないはずです。
だから、厳密に言えば、その結果が約束と違ったとしても、それは
嘘とは言えないのではないでしょうか? この場合、重視されるべ
きは結果よりも過程(プロセス)なのではないかと思います

バレ(るものが)ない話には、嘘がない

いま、過去のことを作り出してしまうと、それは捏造になります。
しかし、いま、将来何かを作り出そうとすることは、創造なのだと
思います

人に迷惑を掛けない嘘があったとして、それなら許されるのでしょ
うか? 私はそれなら許されると思います

必要悪と呼ばれる嘘もあります

どんな人が「お金が嫌いだ」というのでしょうか? それはおそら
く、現状に我慢している人です

なにがいけないのかといえば、お金そのものではなくて、お金で買
えないものをお金で買おうとする、その気持ちでしょう

法律は、一定の時代の一定の地域の価値観のあらわれであり、裏返
せば、絶対のものではない

法律とは国家による強制力を伴った社会規範である

日本国憲法の何がそんなにすばらしいのかと言えば、それは、義務
とか主義とか押し付けがましいところではなくて、国民の権利を定
めているところです

「真実」とは、きっと、あなたの胸のなかにだけ存在するもの

嘘の裏側にあるのは、本当は、真実とか本当のことではなくて、恥

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『オカネとウソの論理学』柳澤賢仁・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4861138027
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◆目次◆

序章 嘘とお金、日常のやっかいな問題
1章 嘘とお金のそもそも論
2章 あなたは嘘をつきますか?
3章 あなたはお金が好きですか?
4章 「嘘つき」や「拝金主義」と呼ばれたくない人のためのキーワード
5章 我慢人と自由人
終章 世の中に絶対はあるのか?

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