2008年3月17日

『世界一わかりやすい会計の本』ウエスタン安藤・著

【カウボーイが税理士?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872579070

本日の一冊は、日本で唯一のカウボーイ税理士、ウエスタン安藤さんによる、2時間でわかる会計の入門書です。

中小企業の実務に徹底的に即した内容で、会計初心者なら誰もが迷う「借方・貸方」の問題を、「(会計事務所は左・右と呼んでいるくらいだから)覚える必要なんて、これっぽっちもありません」とバッサリ切り捨てています。

ほかにも、中小企業における経営分析や企業会計原則の無力さを指摘し、一方で「雑費がたくさんある企業って、税務調査が入りやすいんです」などといった現実的なアドバイスをしています。

「世界一わかりやすい」という割には、若干解説がこなれていないところもありますが、本書が優れているのは、「落ちる経費と落ちない経費」の考え方がわかること。

フェラーリや馬でも経費になるケース、中古の4ドアベンツでも経
費にならないケースなど、税務署の見解を交えた現実的なアドバイスは、日頃、税務調査におびえる中小企業の経営者には、有用のひと言です。

他の会計入門書で挫折した方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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勘定科目は、「花」というようなモノ自体で決まるんじゃなくて、
その費用を何の目的で使ったのかという、「性格」で決まる

雑費がたくさんある企業って、税務調査が入りやすいんです

必要経費というのは、事業遂行上必要な費用

◆2ドアフェラーリが必要経費として認められた理由
・この社長は、プライベートでも数台の自動車を所有していた
・会社に出張旅費規程があり、通常の出張のときは規定にしたがっ
て旅費が支給されていた
・しかし、フェラーリを使って出張したときには、旅費の支給がなかった

利息はどうでしょう? これはお金を借りるという役務の提供につ
いて支払うものです。ですから借入金のように、はじめに入ってき
たものではありませんので、これは必要経費になります

中小企業の社長ってのは自分のメリットさえ感じられたら、買って
しまうものです。特に、節税という言葉にとっても弱い(中略)し
かも、経費削減よりも節税のほうがメリットを感じるのです

日本の企業は起業して8割くらいが倒産しちゃうんですよっ! そ
の原因のほとんどは、現金出納帳をアウトソーシングしていること
にあります

資金繰りの極意、それは……お金は入ってくる以上には使えない!
ってことです

一番にやることは、出ていくお金を時系列に並べること

民法の規定では、「動産の所有権が移転するのは、その動産を相手
に引き渡したとき」となっています。ね、どこにも「お金をもらっ
たとき」とは書いてないでしょ? 商品を出荷したのが2002年1月4
日だから、この売上は2002年に計上しなければならないんです

同業他社と比較して、悪いところだけにターゲットを絞って改善する

やる意味がある比較。それは、同業他社比較などではなくて、自社
内部での比較です。自社データの過去5年間を、単純に比較すると
いう分析手法です(中略)要因がないにも関わらず増減している箇
所をチェックすることで、無駄遣いや機会損失、あるいは不正など
も見抜くことができます

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『世界一わかりやすい会計の本』ウエスタン安藤・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872579070
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◆目次◆

はじめに
第1章 会計には、「いらないもの」と「大事なもの」がある
第2章 そのお金は何のために使われたのか?「勘定科目」
第3章 コレって落とせる?落とせない?「必要経費」の正体
第4章 会計を知っている営業パーソンは、こんなにイケてる
第5章 企業は「お金がすべて」資金繰りと会計の関係
第6章 会計センスが身につく、たった3つの魔法の言葉
第7章 決算書の正体と、決算書ができるまで
第8章 経営者のための、「意味のある」決算書の読み方
第9章 貸借対照表にハッキリ映る「社長の性格」
おわりに
謝辞

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