2008年3月29日

『マネーはこう掴む』藤巻健史・著

【個人で使えるデリバティブとは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334975364

本日の一冊は、かつてモルガン銀行の東京支店長を務め、「伝説のディーラー」と呼ばれた藤巻健史さんが、個人でも使えるデリバティブの知識をまとめた一冊。

デリバティブというと、難しい、危ないというイメージばかりが先行しますが、実際には、取引のリスクをヘッジしたり、下落相場でも儲けられるというメリットがあります。

本書では、そのデリバティブのなかでも、為替の先物にはじまり、最近流行りの外為証拠金取引、債券先物取引、日経225先物など、ベーシックな取引を中心に解説。

それぞれの取引の注意点や儲けるためのコツ、具体的な値動きのイ
メージなどを詳しく書いています。

外為証拠金取引に関しては、アメリカのサブプライムローン問題で
損した人が多いと聞いていますが、どうやらそれは著者も同じ。

ポジショントーカーながら、しばしば予想を外す人ではありますが、
それでも、その資産運用の考え方は参考になります。

ビジネスパーソンの教養としても、日経新聞の金融先物欄で将来の
金利を読む方法、これからの世界経済の動向など、ファイナンシャ
ルリテラシーを向上させるヒントが満載。

この機会にデリバティブをきちんと理解したいという人、デリバテ
ィブで儲けたいという人には、わかりやすくておすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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長期トレードでポートフォリオを構築することのみが、資産を増やす手段

円高は日本名の付いた企業にはOKであっても、日本国民にとって
OKではないのです

債券先物1枚、すなわち額面1億円の債券を買って、値段が1ベー
シスポイント動くと1万円儲かったり損したりします

オプションは前の月の終盤になったら最終取引日を気を付けること。
先物は、限月に入ったら最終取引日を確認すること

「長期金利が上がると思うので、債券先物を売っておけば必ず儲か
るか」というと、必ずしもそうとは限りません。時間との勝負にな
るのです。長期金利がなかなか上がらないと、コストのほうがかか
ってしまう

今日から3カ月間の金利というのは、銀行に行けばわかるかもしれ
ませんが、将来の金利、例えば今年の12月の第3水曜日から3カ月
の金利など普通はわからない。でも、日経新聞のこの欄(金融先物)
を見ればマーケットがどういうふうに予想しているかがわかるのです

個人投資家が破産してしまうのは、レバレッジを20倍とか30倍にし
て勝負をしてしまうから

この20年間、どういうことをした人が儲かってきたのか。バブルの
前に日本の土地と株を買って、バブルのピークのときにそれを全部
売り、そしてアメリカの株と土地を買った人が儲かっているのです

私は、金融立国派なのですが、どうして日本が金融立国化をしなく
てはいけないのか。これだけ経済がグローバル化してきますと、日
本人が単純作業だけで食べていくのは大変だと思うからです

日本人が「経済危機だ!」と騒いでいる一方で、アラブや中国の政
府系ファンドは、欧米の金融会社の株を大量に購入しているのです。
アラブ首長国連邦の最大国アブダビのアブダビ投資庁が、シティグ
ループの株を75億ドルも購入したのがその一例です

「サブプライムローン」という得体のわからない怪物にあおられ、
「キャリートレードの解消」などという事実誤認の言葉で、「ドル
安円高」が進んでしまったのも大きな一因

サブプライムローン問題が起きたことで、資産価格上昇が「穏やか」
でなく「急上昇」となってしまう可能性が出てきてしまった(中略)
貨幣価値下落によるバブル再発の可能性まで出てきた

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『マネーはこう掴む』藤巻健史・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334975364
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◆目次◆

はじめに
1章 ちょっと嫌味な話ー私の実績について
2章 デリバティブの重要性
3章 もし私がデリバティブの存在を知らなかったら
4章 先物とは?
5章 代表的取引1 為替の先物
6章 代表的取引2 外為証拠金取引
7章 代表的取引3 債券先物取引
8章 現物市場と先物の関係
9章 金融先物市場
10章 代表的取引4 日経225先物
日経225先物に関する健太の質問
11章 代表的取引5 日経225オプション取引
12章 今は危機か、チャンスか

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