2008年1月9日

『3つの原理』

【神田昌典がすすめる未来予測本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001170

本日の一冊は、神田昌典さんが紹介したということで今、もっとも注目されている未来予測本。

著者のローレンス・トーブは、ニューヨーク大学、ソルボンヌ大学で歴史学、政治学、フランス語を学んだ歴史家・未来学者です。

著者によれば、多くの未来学者が先を見誤るのは、「彼らが『ビッグ・ピクチャー』を踏まえた手法を欠いているか、それを拒否していることが多いから」。

本書では、「セックス」「年齢」「カースト」という3つのビッグ
ピクチャーを提示し、これらの切り口から、今後起こりうる変化を
予測しています。

なかでも、「カースト」つまり社会階層の覇権の移り変わりが歴史
を作っているという視点は斬新で、ここから現在の社会問題のほと
んどが読み解けます。

なぜ男性が女性化しているのか、なぜスピリチュアル・ブームが止
まらないのか、なぜ同性愛や不倫が増えているのか…。現在のビジ
ネス書のトレンドさえも分析できてしまうのには本当に驚きました。

また、単に分析だけで終わるのではなく、未来を大胆に予言してい
るのも本書の特徴。

アメリカとロシアが手を結び新たな経済圏を形成する、アメリカと
カナダに住むユダヤ人がイスラエルに大量移住する、エスペラント
が普及するなど、にわかには信じられないような話もありますが、
確かにロジックは明快で可能性がないとも限りません。

とくに、儒教圏ブロックの話や、宗教、スピリチュアルの台頭は、
今後注目のトピックとなるでしょう。

読み方次第では、たくさんのビジネスチャンス、そして生きるヒン
トが得られる一冊です。

ちょっと怪しい雰囲気の本ですが、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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まずは先史および歴史時代の初期にあたる最初の「精神・宗教の時
代」に始まり、王や皇帝、騎士、貴族、武士などに支配される「戦
士の時代」を経て、商業や産業に関わる者たちが優位を占める「商
人の時代」に入り、さらには経営や技術の専門家が実権を握る「労
働者の時代」へと進む。やがて将来的には、最後の「精神・宗教の
時代」が到来し、歴史の「終わり」を迎える

「性モデル」によれば、エコロジー、医療、動物の権利、狩猟、残
酷なスポーツ、神の本質、同性愛、フェミニズム、政治および社会
における女性の役割、男女の愛と性の関係等にも両性的な傾向が出
ることが予想される

下降カーストは、新システムを機能させるために上昇カーストを雇
い入れ、やがてこの新カーストはボスを解雇し、あるいは引退に追い込む

女性の東洋が男性の西洋と、異文化交流という「性交渉」を行ない、
その結果、東西という「両親」の文化がもつ最良の部分を受け継い
だ新たな世界文化が「誕生」する

現在、世界を支配する西洋的な陽文化のなかで、限りなく詳細に物
事の部分を調べ立て、全体のビッグ・ピクチャーを無視するという
強い分析衝動は、その対極にある陰の、包括的になろうとする強い
統合衝動を抑え込んでいる。専門家や各分野の権威筋がすべてを牛
耳っているのだ

たしかにカネは生きるために必要だが、主たる関心は仕事そのもの
なのである(中略)労働者カーストの世界観は、昔ながらの懐かし
い職人の世界観に近い

道具や技術、知識が全体として発展すれば、労働者カーストのエリ
ートは、ほかの三カーストを支配できるようにもなる

現在の「労働者の時代」では、自国より大きく強く、裕福な国々に
対抗して、経済的に生き残り、競争力と政治力を確保する唯一の道
は、「ブロック」を形成することだ

儒教圏の国々が世界のトップに上り詰める

さまざまな形態の心理学や療法も、自己認識や感情、性行動、自ら
の身体、愛などに触れる手法として、今後も流行し発達してゆくだろう

◆四つの動き
「自発的簡素」「適正技術」「経済的平等」「仕事の削減」

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『3つの原理』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478001170
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◆目次◆

監訳者まえがき
序文
序章 何が歴史を動かすのか
第一部 原理
第1章 時代を支配する社会階層は何か—-「カースト・モデル」
第2章 女性的か男性的か、それが問題だ—-「性モデル」
第3章 人類は何歳か—-「年齢モデル」
第4章 三つのモデルはどうつながるか
第二部 時代
第5章 宗教が人性を支える世界観—-「精神・宗教の時代1」
第6章 戦争こそ生きがい—-「戦士の時代」
第7章 カネが世界を動かす—-「商人の時代」
第8章 仕事への献身と一体化—-「労働者の時代」
第三部 近未来
第9章 明日の覇権を手にする国々
第10章 儒教圏ブロックがナンバー1に君臨する理由
第11章 東はまだ赤い
第12章 二つの厄介な質問
第四部 最後のカースト
第13章 宗教から精神への転換—-「精神・宗教の時代2」
第14章 宗教ベルトの台頭
第15章 21世紀の大脱出
第16章 精神化する経済システム
第17章 精神経済が世界の覇権を宗教ベルトに渡す
第18章 アフリカ、先住民、精神の時代の頂点

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