2007年12月24日

『となりのクレーマー』

【理不尽な苦情にどうやって対応するか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121502442

本日の一冊は、西武百貨店3店舗のお客様相談室長として活躍し、現在、いくつかのメディアに執筆・出演、また全国のショッピングセンターなどで講演している著者が、クレーマー対策を論じた一冊。

既に25万部突破の大ベストセラーとなっていますが、その理由は、おそらくエピソードのセレクトの秀逸さ。

これまでに1300件以上の苦情処理にあたったというプロが、厄介なクレーマーとの闘いのエピソードを、状況、セリフにいたるまで、詳しく再現しており、じつに臨場感あふれる文章となっています。

ビジネスパーソンにとって参考になるのは、クレームを処理して終
わり、ではなく、あわよくば顧客にしようとする著者の姿勢。

単なるクレーマーと、その後上客となる人間をどうやって見極める
か、という判断基準も示されており、じつに参考になる一冊です。

もちろん、実際に現場でクレーム処理に携わる人にとっては、対策
からトークまで、実践的な知恵が盛り込まれています。

それにしても、こんな理不尽なクレームが現実にあるとは。店の側
だけでなく、客の側にも品格が求められる時代だと思います。

実用面で見ても、エンターテイメントとして見ても、この本は「買
い」ですね。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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クレーマーの難癖を終わらせるためにお金を出す、というのは、や
ってはいけないこと

お客様が去られたあと、係長から説明を受けました。当時一カラッ
トのダイヤは、品質によって、価格に八〇万円から四〇〇万円もの
大きな差があったのだそうです。Cさんが置いていき、戻ったとき
「石が替わっている」と言われたら、もうどうすることもできませ
ん。「替わっていない」「いや、替わっている」の、どちらにも証
明できるものはないのですが、そうなると預かったサービス業の側
は不利です

こちらに落ち度のないときは、どんなに怖くても相手の目を見て、
毅然として対応するのが、この手の相手への最高の威圧になる

「関根さん、俺たち輩から見たら、百貨店に働く関根さんたちは超
エリートの人間に見えるんだよ。だから癇に触る言葉には、異常な
反応を示したくなる。分かってくれよな」

課長には、家に入る前に、このように指示しておきました。話が始
まったら手帳にひと言ひと言メモをしろ。乱暴な言葉や恐喝があっ
たら、俺が時間と言葉を繰り返して言うから、それを正確に書き取れ

私がひたすら丁寧なお詫びを続けていますので、先方はどこで突っ
込んでいいのか戸惑っております。まさに「暖簾に腕押し」「ぬか
に釘」の状態。これでは相手も、どうしようもないのです

うまくお付き合いできたのは、Dさんと最初に対応したとき、四〇
分間に二回、「私の会社は金銭的解決はいたしませんが、誠意を持
ってご対応させていただきます」とはっきり言っていたことが大き
かったと思っています

過去の体験から、商品を確認するまでは、お客様の言葉を一〇〇%
信じないといけません

女性の顧客Gさんが、「一〇年着た白のブラウスの背中に穴が開い
たので、交換してくれ」と代金着払いで、ブラウスを送りつけてき
ました(中略)交換するのは簡単なことですが、それをやってしま
うと新しいクレーマーを誕生させます。どんなに非難されても消耗
品は、消耗したら終わりなのです

顧客が求めているものは、第一に「安全と安心」なのです

◆「誠意ある対応」の具体例 ※一部紹介
1.謙虚な気持ちで丁寧なお辞儀
4.話の腰を折らない、反論はしない
5.苦情を言う心理を教えていただく、という感謝の気持ちで接する

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『となりのクレーマー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121502442
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┃▼目次▼
┃ 
┃ はじめに
┃ クレーマーとは
┃ 第一章 クレーマー物語
┃ 第二章 苦情社会がやって来た!
┃ 第三章 クレーム対応の技法
┃ あとがき
┃ 
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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