2007年11月15日

『なぜ消防署で住宅ローンがバカ売れするのか?』

【大きな組織を口説く「裏」営業術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478002967

本日の一冊は、初めて神田昌典さんの本を読んだ時以来の、衝撃的なマーケティング書です。

著者は、京大の法学部を卒業後、大手金融機関で900億円超の販売実績を実現、その後マーケターに転じた人物です。

この著者が採用した方法が、本書で書かれている、お役所系集団を攻略する、まったく新しいマーケティング手法。

具体的な内容はぜひ読んでいただきたいところですが、まずそれぞ
れのお役所の組織力学の研究がものすごい。

30万カ所に990万枚のDMを送った行動力もすごいですが、そ
こから得られた洞察、メソッドはまさに値千金。

逓送箱を経由することで切手代無料、しかもDMを御墨つきにでき
るなど、付け焼刃では絶対に思いつかない裏技がいくつも書かれています。

DM制作、コピーという視点からも参考になる部分が数多くあり、
久しぶりに読んで損のないマーケティング書に出合ったという印象です。

若干、文章が読みにくいのが気になりますが、それを差し引いても
読む価値は十分にあります。

従来型のマーケティングに閉塞感を感じている、という方に、ぜひ
読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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消防署は命がけの仕事、同じ釜の飯を食った仲間意識、職人気質、
共同体意識が非常に強いお役所コミュニティのひとつなのだ。出動
待機時間、夜勤明け、24時間交代勤務時間に、待機所、喫煙所、休
憩室等でコミュニティ口コミが濃密に拡大し、バカ売れする。規模
が小さければ小さいほど、また辺鄙な場所であればあるほど、方言
の強い地区であればあるほど、口コミ反応度は急上昇する

交通の不便な場所系で高い反応が得られた。文字どおり、交通アク
セスの不便なところだ。山奥や村など、いわゆる陸の孤島だ(中略)
そこで、現場系、汗水系の代表である国土交通省の辺鄙な場所にあ
るダム現場、道路工事事務所とその出張所、河川工事事務所とその
出張所、国道事務所の配下の出張所、気象台の出先の測候所などに
焦点を合わせた。衝撃的なほどの高反応だった

お役所心理だが、万一大切なもので、その適用期間に遅れてしまっ
たとしたら、自分の責任になるとの思考が働き、あせってしまうこ
とが多い。そのうえ「重要」「緊急回覧」「掲示」「全員配布」
「業務連絡」と、真っ赤なでっかい朱肉印が押してあれば、なおのことだ

個人宛のDMを送ってはいけない

ピラミッド型コミュニティの場合は、なんらかの提携や関わりがあ
れば、原則として、宛名の上に「○○会正式提携」と赤ペンや赤ワ
ッペンで目立たせる

提携の有無にかかわらず、事前許可なしでは、絶対に郵送してはい
けないところがある。正式に職員の福利厚生面の担当を仕切ってい
る本部本局の総元締めだ

お役所によって、「物品販売等許可申請」「庁舎使用許可申請」
「庁内一時立ち入り許可申請」と呼ばれるものがある。これを得れ
ば、大企業から中小企業、自営業者まで、いかなる区別もなく、昼
休みに堂々と職場に入り込み、お弁当を食べている職員の机の上に
「おじゃましま~す」といってチラシを次から次へと配布できる

逓送箱経由で受け取った各部署、出先拠点は、総務課からの正規の
回覧物と認識する。つまり、単なる宣伝チラシが「社内正式重要文
書」扱いとなるのだ

道路一時使用許可証は、通常、ごそごそしていれば変質者と思われ
て逮捕されそうなターゲットの群れの近辺で圧倒的な威力を発揮する

白黒チラシでも、カラー多色刷りでも、反応はあまり変わらない。
反応をよくするには、チラシの用紙に色紙を使うだけでよい。反応
はピンク色がダントツで、次にスカイブルーの反応がよい。黄色はよくない

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『なぜ消防署で住宅ローンがバカ売れするのか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478002967
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┃▼目次▼

┃ 第1章 消防署でバカ売れするには理由がある
┃ 第2章 お役所は巨大な眠れるマーケット
┃ 第3章 未開封の封筒にお客が殺到する
┃ 第4章 チラシが正規の回覧物になる
┃ 第5章 今まで気づかなかった強みを見せる
┃ 第6章 お役所系はピンクに反応する
┃ 第7章 ラクラク茶話会でお客が次々やってくる

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