2007年8月20日

『マーベリック・カンパニー』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532313333

本日の一冊は、英エコノミスト誌が選ぶ「Book of the Year」を受賞し、名著『エクセレント・カンパニー』『ビジョナリー・カンパニー』に次ぐ名著との誉れ高い一冊。

※参考:『エクセレント・カンパニー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234331

※参考:『ビジョナリー・カンパニー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822740315

経営や投資のプロが注目する32の企業と組織を取り上げ、その独創
的なアイデアと哲学、経営戦略、人材活用法を解き明かした、読み
応えある内容です。

「アメリカ国民を貯蓄へと立ち返らせる」ことを目的に、シンプル
かつ強い経営で高収益を実現したINGダイレクト、「空を自由化
する」理想を掲げ、苦戦する航空業界で独り勝ちを収めたサウスウ
エスト航空、自社が保有する採掘関連データをすべて公開し、オー
プンソースによる金の採掘に成功したゴールドコープ…。

それぞれの企業の思い切った決断と明確な立ち位置を見ていると、
マーベリック・カンパニーは決して哲学なしには成しえない、とい
うことがよくわかります。

先日ご紹介した『フォーカス!』にもあったように、企業というの
は、その事業を絞り込んだ方がうまくいくことが多いものです。

※参考:『フォーカス!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/490321205X

ただ、多角化やライン拡大には、経営者を惑わす要素が潜んでおり、
それを断ち切り、絞り込みを実現するには、やはり経営者に哲学が
求められます。

超一流の経営者が重要な決断に迫られた時、どうしたのか。これを
学ぶだけでも、読む価値があると思われます。

ほかにも、マーベリック・カンパニーがどうやって顧客とコミュニ
ケーションしているのか、一流の人材を探し、活用しているのかな
ど、事業のヒントが満載。

32社というのがやや多すぎた感はありますが、一読に値する内容です。
ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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何かを売ろうとしても、すでに消費者はたくさん持っているという
状況である。そのなかで抜きんでた存在となるためには、企業とし
てまったく独自の目的を明確に設定することである。そしてあくま
でもその目的に忠実であり続けることだ

型破りな発想を武器にして他社と競っていくためには、どんな事業
を手がけるのかだけではなく、どんなビジネスチャンスを追わない
のかについても厳しく峻別する必要がある

「人の心に波風を立てるから、いいのです。私たちのやりかたは市
場を困惑させ、一部の顧客をいらだたせます。けれど私たちは自分
たちに適していないお客様を選り分けたいと思います。わが社にふ
さわしいお客様は私たちを愛してくれます。伝道者となってわが社
のことを広めてくれます。こちらからお引き取り願うお客様は、私
たちのことを嫌います。そういう人たちがどうするか、知っていま
すか? 誰かれかまわず、私たちのことをいってまわるのです。あ
りがたいことです。そこから対話が生まれますから。お客様を差別
化する効果は抜群です」(INGダイレクトUSA CEO クールマン)

「総力戦をすると、確実に世間の関心が集まり、多くの人に名前を
知られるようになります。しかしあまりにも知られすぎると、今度
はそれが事業のネックとなってしまう」(マーク・アンドリーセン)

真に競争力のあるオリジナルな戦略を実践しているかどうかを見分
けるコツがある。その会社には独自の語彙があるのかどうかを見る

大切なのは崇高な理想かどうかである。そして崇高な理想と野心は
矛盾しない

業界をかきまわしてやろうと考えている場合、同時に説得力のある
外交官としてもふるまえるかどうかがキーポイントとなる

「どんな分野でも同じですが、トップの人間に”進歩するための秘
訣は?”とたずねれば、”自分よりも優れている人たちと働くこと”
だというこたえが返ってくるでしょう。ですから問題は、”どうし
たら自分よりもすぐれた人と働くチャンス、競争するチャンスを得
ることができるのか”ですね」(トップコーダー創業者 ヒューズ)

「最高の人材は金では動かない。お金はスコアを示すポイントのよ
うなものです。どんな分野においても最高の人材は情熱で動くので
す」(エリック・レイモンド)

第一印象を残すには、あなたのお客様がいるところで売りなさい―
―そしてあなたの競争相手がいないところで売りなさい

消費者に強く印象づけようというのであれば、他の企業が料金を取
って行っていることを無料にすればよい

人材活用の分野でマーベリックな活躍をするジョン・サリバンがい
うように「スターはバカ者のためには働かない」のである

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『マーベリック・カンパニー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532313333
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┃▼目次▼
┃ 
┃ はじめに マーベリックの約束
┃ 第I部 競争について考え直す
┃ 第II部 イノベーションについて考え直す
┃ 第III部 顧客との絆を取り戻す
┃ 第IV部 仕事を新たにデザインする
┃ 謝辞
┃ 原注
┃ 付録
┃ 訳者あとがき
┃ 
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