2007年6月10日

『買いたい空気のつくり方』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478090017

これまでは「商品は売るモノ」であったが、これからは「商品は買うモノ」になる。

これは、本日ご紹介する本の冒頭に書かれている言葉です。

消費者が主役の時代、というのは、これまでにもさまざまな本で言われてきたことですが、その割に、店頭における消費者の購買行動やそれに対するアプローチを説いた本はまだまだ少ない状況です。

名著『なぜこの店で買ってしまうのか』は、消費者の店頭での購買行動を明らかにし、さまざまな示唆を与えてくれましたが、それとて万能ではありません。

※参考:『なぜこの店で買ってしまうのか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152083352

私たちには、日本の流通現場で、今、どんな消費がなされているのか、そして企業がそれにどう対応し、どんな成果をあげたのかを知る必要があるのです。

本書は、電通S.P.A.T.(Shoppers Promotion And Tactics)のメンバーが、これまでの実験やさまざまなリサーチ結果から、近年、成果をあげているマーケティング手法を紹介した一冊。

店頭や企業における最新の成功事例が載っており、マーケターには重宝する一冊です。

もちろん、活字の限界もあり、これ一冊で「買いたい空気」をつくることはできませんが、諸々のデータ、分析は、これからのマーケティング施策を考える際に、きっと役に立ちます。

経営者はもちろんですが、マーケター、営業マンが読んでも役に立つ一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「ここ1、2年での(25分野別)消費への関心の変化」をみると、
「旅行」、「健康関連」、「家電・家具」といった分野における関
心の増大が目につく

マイナーである(周囲とは違う、同好の士が少ない)と自認する趣
味嗜好を持つ人が全体の約30%、特に男性20代と男性60代では45%強に達していた

カテゴリーや商品によっては、新商品発売時の店頭化率(お店に新
商品が並べられている比率)は20~30%

購入者が「来店前に、カテゴリーの購入を計画していなかった」、
あるいは「カテゴリーは決めていたが、ブランドは店頭で決めた」
という非計画購買の割合は、ほとんどのカテゴリーで70~80%

商品を購入した理由を消費者に尋ねてみると、「いつも購入してい
る」、「商品やブランド名を知っている」といった理由が上位

液晶テレビを購入した人の6割近くは、事前にインターネットで商
品の価格や機能を検討したと回答

商品にちょっとしたおまけがついていたりする「キャンペーン」の
効果は想像以上に大きい

メーカー側は自社商品の売り上げを伸ばすために、流通への集客や
その商品を含む「カテゴリー全体の売上アップ」を考え、その上で
自社商品をどのように落とし込んでいくかを考えていく必要がある

家電量販店では他業態と比べ「いま売れている・人気がある」や
「お店が特にオススメしている」などの話題性が突出

◆商品が買い物客にとって役立つと思わせる「自分ゴト化手法」
1.具体的使用シーンを見せる
2.使う人視点のベネフィットを端的に伝える
3.専門家による推奨
4.生声による推奨
5.エビデンス~事実や記録の紹介
6.季節のシズル感
7.ローカルテーマ

ひとりで来店するお客様が多いのに、なぜ3人掛け、4人掛けのイ
スばかりなのか?

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『買いたい空気のつくり方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478090017
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┃▼目次▼
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┃ Chapter1 消費2.0の時代~消費者の実像を探る
┃ Chapter2 購買行動の変化
┃ Chapter3 情報視点からみる売りのメカニズム
┃ Chapter4 購買行動から発想する売り場づくり
┃ Chapter5 セルフ販売とコンサルティング販売の融合
┃ Chapter6 Sales Chemical Modelにみる変革のポイント
┃ 
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