2007年6月12日

『財務3表一体理解法』

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022731443

本日の一冊は、ここ数年間に出された会計書のなかで、もっとも斬新で経営に役立つ、読み応えのある一冊です。

著者は、クレアモント大ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得後、経営コンサルタントとして活躍中の國貞克則さん。

本書は、その國貞さんがアカデミーヒルズ(六本木ヒルズ内)で行った人気講座を新書にまとめた一冊。

損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の財務3表が、具体的な事業活動を通じてどう変化するのか、じつにわかりやすく説いており、これ一冊で3表の基本を押さえることができます。

資本金が入ってきた場合、ホームページを外注した場合、商品ができた場合、初めての売上が立った場合など、さまざまなケースごとに、どの書類にどんな数字が計上されるのか、具体的にイメージできるのが特長です。

「基礎編」を読むだけでも相当勉強になりますが、さらに「発展編」を読めば、新会計基準も理解できるようになります。

この内容で720円ははっきり言って安いと思います。

今流行の会計読み物だけでは飽き足らず、さらに理解を深めたい、という人におすすめの一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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会計がよく分かっている人は、損益計算書よりもむしろ貸借対照表
やキャッシュフロー計算書のほうを見るもの

PLを下から見るクセをつけるとコスト感覚、経営感覚が磨かれます

会計では会社が自分で稼ぎ出す分は「利益剰余金」と呼ばれていて、
BSではこの利益剰余金は「純資産の部」に入れることになってい
ます。これこそ、BSとPLの「つながり」にほかなりません

BSは一部の例外を除いて、基本的に上から下へ「流動化」しやす
い順に並んでいます。簡単に言えば現金化しやすい順です

残高試算表を上下にパカっと分けると、上がBSで下がPLになる

間接法CSを作るためには、まずPLの「税引前当期純利益」を間
接法CSの一番上にもっていきます。そして、現金の動きがないの
に税引前当期純利益が変化したものについて、実際の現金の動きを
逆算していきます

減価償却費のPL上の費用処理は期末に行う

ホームページは頻繁に改訂するので、作成費はPLに費用として計
上する。1年以上使う予定なら、「無形固定資産」に計上するのも可

商品の販売代金が入ってくるより先に仕入の支払をするのが普通で
すから、大抵の会社が「勘定合って銭足らず」の状況に陥りがちで
す。だからこそ、「キャッシュフロー・マネジメント」、つまり現
金を常に注視する経営姿勢が大切になるのです

会社法施行に伴って役員賞与は、通常の役員報酬と同じく株主総会
の役員報酬決議によって各期の費用として処理されるようになりました

一番簡単に利益を操作できるのが在庫の過大計上

現金が出て行っても、その現金分を資産計上できればPLを悪化さ
せずに済みます。従って、調子の悪い会社のBSには、「保証金」
とか「長期前払費用」などといった名目でわけの分からない費用が
資産に化けているケースがあります

「のれん」は、発生時に特別損失として計上して一時償却すること
は認められていません。20年以内にその効果が及ぶ期間の範囲で規
則的に償却することになっています

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『財務3表一体理解法』
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┃▼目次▼
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┃ 第1章 会計は難しくない
┃ 第2章 財務3表の構造を知ろう
┃ 第3章 財務3表一体理解法~基礎編
┃ 第4章 決算書を読み解くツボ
┃ 第5章 新会計基準もわかる 財務3表一体理解法~発展編
┃ おわりに
┃ 
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